宇都宮競輪場の「第12回国際自転車トラック競技支援競輪」(GⅢ)は21日、最終日を行った。決勝はGⅢ初決勝進出だった渡部幸訓(37=福島)が、竹内雄作(33=岐阜)マークから抜け出し一発ツモのGⅢ初V。福島県南相馬市出身のレーサーが、東日本大震災から10年、大きな成果を手にした。
優勝者とは思えない、あどけない動揺した姿でレースを振り返った。「まさか勝てるとは思ってなくて、えっ、いいのかな。変な感じです」。3日制のGⅢとはいえ、決勝は豪華メンバー。自身も「自分が一番格下で、その分、緊張はなかったんですけど」と苦笑い。だが、決勝を前に竹内マークを主張したことが、すべてだった。
新田康仁(47=静岡)も竹内後位に気があったが「主張させてもらいました」。追い込みとしての決意の表れだった。その竹内は「佐々木(悠葵・25=群馬)君が突っ張って、作戦とは違う感じになったけど」も、持ち味の早めの仕掛けでラインで出切った。
渡部も「踏み出しはシビれた」と言うが、付き切ってからは余裕あり。同県の小松崎大地(38=福島)から「ヨっ!2車身差し!」と冷やかされる差し脚でGⅢ初優勝を手にした。
福島県南相馬市の出身。東日本大震災の後は「千葉に行って、埼玉に行って、宮城に行ってでもう宮城には10年になりますね」。実家は「避難解除になったので両親が住んでいます。家で見てくれていると思うんで」。震災から10年を経ての大きな優勝。家族の喜びはひとしおだろう。












