SKE48の元メンバーで無職の山田樹奈容疑者(22)ら男女4人が、投資の指導料名目で金をだまし取った疑いで逮捕、送検された。山田容疑者らは、為替相場の変動を予想して投資する金融商品「バイナリーオプション」の助言名目で、100人以上から計5800万円をだまし取っていたという。一体どういう詐欺行為だったのか?

 バイナリーオプションについては、金融庁が「あらかじめ決められた時点の騰落を予測し、ある値よりも高いか低いか、二者択一で選ぶ取引です。取引の簡明さと比べ、仕組み自体は複雑で、投資元本を失う恐れがあり、期待する投資成果を得るためには、知識や経験が必要なリスクのある取引です」と注意喚起している。

 そのうえで同庁はホームページで「友人やSNSを通じて『儲かる』と勧誘され、バイナリーオプション取引の分析ツールが入ったUSBなど高額な情報商材を購入し、勧められた海外無登録業者と取引したところ、多額の損失が発生したなどの相談が増加しています」と実例も示している。

 SNSが詐欺の入り口となるので、犯罪として敷居が低いのだ。詐欺研究家の野島茂朗氏はこう語る。

「SNSや出会い系アプリで勧誘し、孤独な心に入り込んで、ナンパして仲良くなった後に、投資させるという手口は増えています。ネット上で完結させて、法定の契約書等の交付をごまかすわけです。『儲けさせてあげる』とそそのかして、預かったカネは運用なんてしません。儲かっているように見せるために、そのカネで豪遊したり、高級車やブランド品を購入し、写真をSNSにアップし、また新たなカモを釣るのです」

 それにしても、100人以上が「儲かる」と信じて何十万円もの金を容疑者たちに預けた疑いもあるというから、驚きだ。

「お金がない人でも、借金して30万円から50万円は用意します。勧誘役がSNSで仲良くなった獲物に『確実に儲かるから、借りてでも夢を実現しよう』と背中を押して、闇金に借金させるんです。その闇金もグルというわけです。最近の若い子は、ネット、LINEグループで完結型の人間が多いのでだまされやすいかもしれません」と野島氏は指摘している。