名古屋発のアイドルグループ「BOYS AND MEN」(以下、ボイメン)が旋風を巻き起こしている。“町おこしお兄さん”を標ぼうして名古屋のテレビ番組をジャックし、その人気は全国に広がりつつある。そこで著書「夢は叶えるもの! ―ボイメンを創った男―」を上梓したフォーチュンエンターテイメント代表の谷口誠治氏を直撃。ボイメンを注目株にまで育て上げた男の正体とは!?

 ――もともと公務員だったそうで

 谷口氏(以下、敬称略):公務員家系で親孝行にと大阪で公務員になったものの、ずっとエンタメをやりたいという夢があった。あきらめきれず公務員を辞め、東京で勝負しようと思った。縁あってあるミュージカルのお手伝いをさせていただく機会ができたんです。

 ――いきなりエンタメの夢がかなった

 谷口:あくまでお手伝いでしたが、そこで知り合ったテレビ局の事業部の人に誘われて、アイドルの興行も手伝わせてもらった。そこで感じたのは企画・制作と違って、タレントのプロダクションは、一つひとつの仕事をしながら育てていく、持続性がある仕事でおもしろそうだなと。そしたらアイドルコンテストで勝った女の子をCMに起用する企画のチャンスがきて、若き日の菅野(美穂)と出会ったんです。

 ――そのときの印象は

 谷口:みんな反対したけど、僕は売れるなと思った。根拠は全くなかったけど、この子のためにプロダクションを作ったんです。とにかくタレントが売れていくさまを自分の目で見てみたかった。

 ――若くして菅野はスターに駆け上がった

 谷口:簡単ではなかったけど、菅野は何かを持っていました。あるCMオーディションの話が来たんだけど、調べたら出演者はもう決まっていたんです。それでも次につながるかもしれないと送り込んだら、すでに決まっていた出演者をひっくり返してCMを勝ち取り、一気にトップアイドルの座に上り詰めました。

 ――ヌード写真集では世間が騒然とした

 谷口:あれは本当に大変な思いをしました。悪徳社長と言われてパパラッチされて…。菅野も当時の真相を語ったみたいだけど、うちは何も悪いことをしてないんですよ。会見での涙も私との対立をあおるように意図的に編集されたものでした。

 ――涙の真相は

 谷口:写真集は極秘裏に進められていて、同日に写真集を出す親友に菅野はそのことを打ち明けられずにいたんです。親友からは写真集を出す話を聞いていたにもかかわらず、ずっと言えずにいたのが苦しかったんだと思います。それなのに同日発売を知った親友から電話で優しい言葉をかけられて、会見で思い出し、涙したのが真相です。

 ――その後、プロダクションを譲渡して、別のプロダクションで要潤もスターに育て上げたが、そこも譲渡してボイメンのプロデュースを始めた

 谷口:その間にもいろいろあったんですが、もっと世界を股にかけたエンタメをやりたいと思った。それには単体ではなくグループじゃないとダメだと思った。それでできたのが、東海3県出身者や名古屋在住のメンバーを集めて作ったボイメン。地域密着型のアイドルで、名古屋をエンタメで盛り上げようという“町おこしお兄さん”が基本コンセプトながら、最初から世界を視野に入れている点で、これまでとは違う。

 ――昨年はアジア公演も行った

 谷口:そうですね。「アジアアーティストアワード」では賞をもらい、世界進出の飛躍の年になりました。その一方で“町おこしお兄さん”のコンセプトも同時進行で進めていきますよ。今年は長野、大阪、福岡でもオーディション番組を行い、各都市密着の“町おこしお兄さん”を育てるつもりです。今後、どう転ぶかわからないけど、失敗してもゼロに戻るだけ。だったら、やりたいことをやって、どうなるか結果を見たいと思います。