合成麻薬MDMAなどを所持したとして麻薬取締法違反の罪で起訴、保釈された女優・沢尻エリカ被告(33)の“入手現場”を突き止めた。同被告は違法薬物について、元カレの横川直樹容疑者(38)から「(逮捕)数週間前に行ったイベントでもらった」と供述。追跡すると、沢尻被告が“クネクネダンス”を披露し、親友で女優の片瀬那奈(38)が「ばかうけ」を持っていたことで話題となったアノ動画にヒントが隠されていることが判明。当局も重大な関心を示しているという――。

 沢尻被告の逮捕直後にネット上で話題を集めた動画がある。

 10月下旬にユーチューブで配信されたクラブイベントの動画で、そこには林家パー子ばりにド派手なピンクの衣装を着て“クネクネダンス”を披露する沢尻被告と、親友の片瀬が同席する姿が映っていた。

 沢尻被告は口にスティック状の吸引具をくわえていたことから、一部で「怪しい」という声も。片瀬に至っては手元に抱えていたお菓子が「ばかうけ」と分かり、別の意味で話題となった。

 ネット上で拡散された最も有名な動画は2分足らずで、編集されたもの。実はこれには衝撃の続きがあった――。

 MDMAと合成麻薬LSDを染み込ませた紙片を所持した麻薬取締法違反の罪で起訴された沢尻被告。入手先については、元交際相手と言われるファッションデザイナーの横川容疑者から「(逮捕の)数週間前に行ったイベントでもらった」と供述していた。

 沢尻被告が薬物を譲渡されたイベントとは一体!?

 そこで浮上するのが、前出の動画だ。編集なしのフル動画は1時間6分で、沢尻被告は途中からフロアに出現。体をくねらせ、時には雄たけびを上げながら、音楽に身を預ける。周囲には顔なじみとおぼしき人物が集結。輪の中には沢尻被告とともに麻薬取締法違反の容疑で逮捕された横川容疑者の姿も確認できる。

「まさかこんなに堂々と…」と驚くばかりだが、50分過ぎには沢尻被告自ら同容疑者のもとに歩み寄り、後ろからハグ。その光景はカップルそのものだ。
 かと思えば、フロアの隅に移動し、2人で何やら話し込む場面も…。そして1時間が経過したあたりで、横川容疑者が沢尻被告の腰に手を回し、2人で後方の扉に向かっていった。以降、この動画では2人がフロアに戻ってくることはなかった。

「このイベントが行われたのは10月下旬。沢尻被告が逮捕されたのは11月16日なので『数週間前に行ったイベント』という条件に合致する。当局も『ここでクスリの受け渡しが行われたのではないか?』と関心を寄せているようだ」(関係者)

 注目される理由は他にもある。同イベントを行った場所は横川容疑者が運営に関わる「A」という施設で、Aは沢尻被告が逮捕直前に訪れていた渋谷のクラブ「B」で開かれていたパーティーにも“協賛”している。

 音楽関係者は「Bで行われたパーティーは沢尻被告の“夜友”と言われる夫妻とAがコラボレーションしたもの。つまり、すべてつながっているんですよ」と話す。

 先月26日に逮捕された横川容疑者は沢尻被告が保釈された6日に、勾留期間の延長が決定した。

 沢尻被告の供述のみに頼っている印象から、一部で「不起訴も」と報じられたが、捜査関係者は「それなら勾留延長は却下されている。延長したということは、それ相応の材料を持って徹底的に調べているということ。沢尻被告が単独所持で起訴されたため、横川容疑者は共同所持ではなく、譲り渡しに切り替わる可能性もある」と話す。

 それにしても恐ろしいのはクラブイベントで堂々と違法薬物のやりとりが行われている現状だ。東京五輪を目前に控え、徹底浄化できるのか――。

【参加者の8%にMDMA使用経験】沢尻被告が所持したとされる合成麻薬MDMAは「パーティードラッグ」と呼ばれ、専門家の調査では、クラブイベント参加者の8%が使用経験があると回答した。国立精神・神経医療研究センター(東京)の嶋根卓也研究室長によると、MDMAは1980年代後半、欧米の若者を中心に広まった。興奮や幻聴作用があり、テクノミュージックなどの電子音楽を大音量で流して踊るイベントで使われるようになったという。
 嶋根室長らは2010~11年、都内で開かれたクラブイベント4回の参加者に匿名アンケートを実施。その結果、回答者計300人のうち、男女24人(8%)がMDMAの使用を告白した。30代が14人と最多で、20代が9人と続いた。「音がよく聞こえてテンションが上がる」。ほとんどの人が気分の高揚などがあったと答える一方、半数は急性中毒を経験していた。この24人に他の薬物の経験も問うと、全員が大麻、うち15人がコカイン、14人が覚醒剤も使ったと回答。4人は複数の薬物を同時に使い、健康に悪影響があったという。