先月27日に行われた米アカデミー賞の授賞式で、プレゼンターのコメディアン、クリス・ロックを平手打ちした俳優ウィル・スミスに対し、同賞の授賞式を含む、アカデミーの関連イベントへの出席を今後10年間禁止する処分が下された。

 これは同賞を主催する映画芸術科学アカデミーが8日に発表したもの。〝10年間の出入り禁止〟とはかなり厳しい処分に聞こえるが、関係者からは「そんなに厳しくない。ちょうどいい落としどころなのでは?」という見方が出ている。

 授賞式では、脱毛症を公表しているウィルの妻ジェイダ・スミスに向け、クリスが「(映画)『G・I・ジェーン』の『2』が待ち切れない」と発言。同作の主演女優が丸刈り姿だったこともあり、侮蔑ととらえたウィルは激怒。ステージに上がり、クリスを平手打ちした。

 映画関係者は「これはあくまで『授賞式を含む、アカデミーの関連イベントへの出席を禁止する』という処分。一時は『主演男優賞のはく奪も』などと言われたが、さすがにはく奪は厳しすぎるので、〝10年の出入り禁止〟で落ち着いたのでしょう」と指摘する。

 ただ授賞式など、アカデミー関連のイベントに参加できないだけで、アカデミー会員でなくてもアカデミー賞の受賞資格はある。来年以降の10年、ウィルがノミネートされたら、授賞式には出られないが、受賞する可能性は残されているのだ。

 実際に昨年のアカデミー賞で主演男優賞を受賞した英俳優アンソニー・ホプキンスは、授賞式に参加していない中での受賞となった。

「本人は取れると思っていなかったうえ、コロナ禍ということもあり、当時83歳のホプキンスは米国には行かず、出身地のウェールズに滞在していた。だから授賞式に出ていないからといって、オスカーを取れないわけではない」(同)

 また別の映画関係者は「ウィルの出演する映画は、映画賞にはあまり絡んでこない娯楽映画が多い。今回、主演映画賞にノミネートされたのも15年ぶりだった。シリアスな映画に出るのはそんなに多くないので、次にノミネートされるのも、けっこう時間がかかりそうだから、そんなに影響ないのでは」と指摘する。

 10年たってから、華々しく授賞式に出席しているかもしれない?