新型コロナウイルス・オミクロン株の感染者減少スピードが遅くなっている。2日、全国の新規感染者数は7万2647人だった。31の都道府県でまん延防止等重点措置が適用中にもかかわらず、依然として終息の兆しが見えない状況だ。そうした中、この日行われた新型コロナ政府分科会で尾身茂会長は「感染者数の鈍化の要因として3回目のワクチン接種が進んでいないことも関係している」と述べた。この言葉に、専門家は「明らかに的が外れており、説得力に欠ける」と指摘する。
全国の新規感染者数は先月5日の10万5614人をピークに減少しつつあった。だが、ここにきて減少のスピードがかなり遅くなり、重症者や死者の数も増えている。こうした現状の背景には新型コロナ変異株の感染力が強まっていることが影響しており、感染者数を減らすためには、より一層感染対策を強化する必要がある。
分科会での尾身会長の言葉は、ワクチンの接種率が新型コロナの感染者数に影響しているといった内容だった。これに危機管理アドバイザーであり医学博士の古本尚樹氏は「ワクチンの3回目の接種と感染者の増減は関係ない。実際に海外の事例では、3回目のワクチン接種を終えた後でも感染者が増加しているケースもある。ワクチンの効果が期待できるのは、感染を抑えることではなく感染しても重症化しにくいという部分。むしろ尾身会長はワクチンの接種率と感染率の関係性について説明する必要があった」と話す。
感染者の増加に伴い、医療現場の逼迫も深刻化している。都内では重症者に占める60歳以上の高齢者の割合が8割を超え、医療だけでなく介護の負担も大きくなっている。
古本氏は「医療体制にも限度があるので、すべての感染者をカバーするのは難しい。だから、体の不自由な人など社会的弱者層に厚みをかけるなどして優先度を見極めていく必要がある」と言及した。
新型コロナはなかなか終息しないが、この状況を受け入れてコロナと共に以前の生活を取り戻す工夫をしていくことも一つの方法だという。
「これまではポストコロナなどといわれ、いかに新型コロナを終わらせるかという部分に着目していたが、今はむしろウィズコロナで生活するという意識にシフトして今後のことを考えた方がいいと思う。感染者が増えたり減ったりする中で、どのようにして日常生活を取り戻せばよいかという点に着目していくことも必要ではないか。私たちはこれまでの経験から感染リスクが高い場所の特徴などを理解できている。そういった場所には行かないなどして、自己防衛しながら生活していくという考え方に変えていくことも大切ではないか」(古本氏)
コロナ禍でどう生きていくか、一人ひとりが考え賢く行動していくことが大切だ。












