日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会の定例会合が28日、東京・両国国技館で開かれた。

 大相撲夏場所は休場明けの横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)が3場所ぶり7度目の優勝。一方で、大関陣は御嶽海(29=出羽海)が6勝9敗、正代(30=時津風)は5勝10敗で負け越し。貴景勝(25=常盤山)が千秋楽に勝ち越しを決めるのがやっとだった。

 高村正彦委員長(元自民党副総裁)は照ノ富士について「両ヒザが悪くて休場明けで、心身ともに大変な状況の中で最初は不安はあったけれども最後は横綱として然るべき成績を残してくれた」と称賛。

 しかし、大関陣には「体の中がどこまで悪いというのは判断がつかない。照ノ富士の両ヒザが悪いというのははっきりわかるけれども、御嶽海が現実にどうなのかとか、貴景勝が不安なくぶつかれているのかとか、ケガとの関係が我々は分からないところがあるので何とも言えない」とした上で「勝ち越したのが1人だったというのは残念だ。あれでよかったということは、力士に相当同情的な私もそうは言えない」と苦言を呈した。

 ただ、同委員長は「黒星の数と白星の数は同じで全体でゼロ差なわけだから、期待されていた人が成績が上げられなかったということは、期待されなかった人が活躍したということでもある」とも付け加えた。