【7人制ラグビー】日本代表・松井千士がフェラーリ福岡に“挑戦状”

2020年01月02日 18時22分

東京五輪に臨む7人制のエース松井が胸中を激白

 2020年はセブンズの出番だ! 東京五輪に臨む7人制ラグビー男子日本代表の松井千士(ちひと=25、サントリー)が、本紙に大舞台へ臨む胸中を激白した。モデル経験もあるラグビー界屈指のイケメン選手はメンバー落ちに涙をのんだ16年リオデジャネイロ五輪からの進化を猛アピール。またW杯で8強入りし、日本列島を大興奮させたあの快足ウイングに“挑戦状”を叩きつけた。

 ――2020年はいよいよ東京五輪

 松井:15人制ではないけど、同じラグビーとしてセブンズ日本代表が、ラグビーを根付かせるためにやらなきゃいけないという使命感を持っている。そのためにはやっぱりメダルを取りたい。(リオ五輪)ベスト4は僕たちの間では喜びだったけど、五輪はいろいろな種目がある中でメダルを取らないと注目も下がってしまう。

 ――リオ五輪はアジア予選で活躍しながらもメンバー入りを逃した

 松井:リオのために死ぬほど努力したが、努力したからといって成功するわけではないと痛感した。セブンズを続けるのが嫌だと思ったくらいだったけど、そこから自分をもう一回奮い立たせて東京五輪を目指して這い上がってこれた。

 ――キッカケは

 松井:(17年に)トップリーグ強豪のサントリーに入って、トップを目指す集団に入れたことが大きい。自分の中で、もう一度セブンズ日本代表に入りたいという気持ちにさせてもらえた。

 ――サントリーはW杯メンバーも多い

 松井:SHの流(大=27)さんには、ご飯に連れてってもらったり、仲良くさせてもらっている。若いのに(サントリーの)主将を任されたり、その姿を見てもっと(リーダーシップを)磨いていかないといけないと思った。自分はそういう経験が少ないので。

 ――流からアドバイスをもらった

 松井:W杯メンバーも合流したサントリーの沖縄合宿(11月中旬)に参加してリーダーシップを学ばせてもらった。流さんは「(リーダーとして)自分だけが発言するのもよくない」と言っていたし「人を巻き込んで、発言させる雰囲気をつくらないといけない」という話もあった。そういうアドバイスをもらえたのはセブンズを引っ張っていくという意味でもありがたかった。

 ――自身の持ち味はスピードだ

 松井:学生時代とスピードは変わらないけど、社会人になって抜く間合いがわかってきてスピードを生かせる部分が多くなった。その結果、ラインブレークやトライの回数が増えているので自信につながっている。

 ――フィジカルも強化してきた

 松井:学生のときより5~6キロ増えたけど、体重というよりウエートの数値が上がっているのでパワーの部分も自信につながっている。スピードへの影響? それは調整しているし、体が大きくなったとはいえ各国の選手と比べて大きいわけではない。これからはスピードを落とさず、ウエートをもう少し上げていきたい。

 ――8強入りしたW杯メンバーから7人制への参戦もある

 松井:福岡(堅樹=27、パナソニック)さんはセブンズをやっていた選手。チームにとっては心強いが、長くやっているセブンズのメンバーが、すぐに(福岡に)代わられるくらいならメダルも取れないと思うし、しっかり争ってどちらが入るか、わからないくらいにしたい。

 ――福岡もスピードが武器

 松井:僕の方が速いと思っている。自信はある。福岡さんに負けないスピードを持っているので(7人制に)入ってきてもライバルとして認めてもらえるように頑張っていきたい。

 ――福岡の快足は「フェラーリ」と言われた

 松井:自分を車に例えるとですか? 僕は車というより、飛ぶようなイメージで走るので「馬みたいだね」と言われる。力強くというよりも軽く飛んでいくようなイメージで走っていくので、そういったことも印象付けられたら。

 ――7人制の魅力

 松井:何よりもスピード感。日本もそうだし、足の速い選手が各国に揃っているので、スピーディーな展開を楽しんでもらいたい。それに15人制のラック周りやモールはわかりづらい部分があると思うけど、7人制は簡潔になっているのでわかりやすい。

 ――W杯ではチームスローガン「ONE TEAM」が話題になった

 松井:僕たちは人数が少ないのでチームのことを「セブンズファミリー」と言っている。ここから(東京五輪に向け)計二百何日も合宿をやっていくし、家族みたいな存在なのでそういう関係を大事にしていきたい。

【強化に手応え】リオ五輪で4位と健闘した7人制の男子日本代表が、メダル獲得へ向けた強化を進めている。

 18年5月から指揮を執る7人制日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチ(HC)は「11月のオセアニアの大会では、ニュージーランドに勝ち、3位決定戦ではサモアにも勝った。HCになって1年以上たって少しずつ前向きな成績を出せるようになってきた。ここから五輪に向けてもう一段、ギアを上げていきたい」と手応えを語る。

 もちろん7人制はリオ五輪金メダルのフィジーを筆頭に銀メダルの英国など有力候補がひしめいており、表彰台に上がるのは簡単なことではない。それでも指揮官は「(7人制は)安定して力を発揮するのが難しい競技。日本はいいときには(国際大会で)ベスト8入りできるが、その力をコンスタントに出せるか。五輪でメダルを取るためのカギになる」と強調した。

 そのためには技術はもちろん、メンタル面も重要だという。一日に複数の試合をこなす競技特性から「パニックにならないで安定したパフォーマンスを出せるようにするのが私の仕事」とポイントを挙げた。

☆まつい・ちひと=1994年11月11日生まれ。大阪市出身。大阪・常翔学園高、同志社大を経て2017年にサントリー入り。高校3年時には全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)優勝を経験し、同大在学中の15年に15人制日本代表に選ばれた。50メートル5秒7の俊足を武器に7人制にも取り組み、16年リオデジャネイロ五輪アジア予選ではトライ王を獲得も本大会はメンバー落ち。ポジションはWTB。182センチ、78キロ。