小児で障害のある患者さんのお宅を訪問することもあります。小さいころの脳性まひで体を動かせず、ご自宅でお母さん、お父さんが介護をしているケースなどは、虫歯がなくても定期健診のような形で2~3か月に1回のペースでうかがっています。

 人によっては人工呼吸器をつけていらっしゃったりするので、ケアする時には外していただいて歯を磨いたり。難しいのは、子供は歯が生え変わることで、まだ乳歯がある場合でも、育つのが速いのでうかがうたびに状況が変わり「あ、ちょっと揺れてきましたね」とご両親と話したりするのですが、障害があると麻酔をかけて歯を抜くということもできませんから「抜けたらこうしましょう」と相談をして、歯が自然に抜けるのを待つことになります。

 障害のある成人の方に歯に合わせてマウスピースを作りに行くこともあります。歯ぎしりがひどかったり、グッとかむ力が強すぎる場合が多いですね。

 マウスピースにはソフトタイプとハードタイプがありますが、障害のため「口を開けてください」とお願いしてもなかなか開けてもらえないことがありますから大変です。

 ある患者さんには、着脱は難しいのですがソフトタイプを作りました。普通は一回作れば結構もつところ、かむ力のせいで2~3か月後に次の診療でうかがうともうボロボロになっていました。装着していなければ歯やアゴの健康に影響が出ていたと思います。