日本では、2021年生まれの赤ちゃんの数(出生数)が81万1604人と、統計開始以来最少となったことが、厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。前年から2万9231人減少し、80万人の大台割れが目前に迫った。

 日本の出生数は、第2次ベビーブームでピークだった1973年の約209万人以降、減少傾向が続くが、お隣の中国では人口が増加しすぎたため、79年から2014年に人口抑制策として一人っ子政策を実施。現在は同政策を撤廃し、3人目までの出産を奨励する中国だが、少子化の波はますます大きくなるばかり。当然、高齢化も同時進行しているため、少子高齢化となっている。

 今年1月、中国国家統計局は21年の出生数が1062万人で、1949年の建国以降、過去最少となったと発表。中国政府は離婚取り消し制度の導入や産休育休制度の拡充、子育て世帯への経済支援策などを行っているが、具体的な効果は出ていないようだ。

 そんな中、びっくりするようなことが議論されている。ユーチューブチャンネル「地球ジャーナル ゆあチャン」で日中の情報を発信している中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。

「義務教育で『恋愛科目』の導入が議論されているのです。国家機関の中国青少年研究センターは、若者が恋愛や結婚に対しマイナスイメージを持っているために晩婚化が進み、少子化の一因となっていると指摘しています。これを解消するため、若者の恋愛観を学校で教育するべきとして、中学校と高校で恋愛科目を導入することを提案しているのです。恋愛や結婚の喜びを学生に教えていくとしています」

 ネット上では「若者が恋愛や結婚したくないのはカネがかかるからだ」「今の給料でどうやって子供を産み育てていけるのか」など、厳しい意見が多く出ているという。

 周氏は「実は中国では原則として、小中高での恋愛は禁止しており、恋愛していることが学校側に知られた場合、退学処分となることも少なくありません。そんな中、恋愛や結婚の喜びを学生に教育していくという今回の提言は校則と矛盾していることは明らかです。中国の少子化対策は迷走を続けています。若者の声に素直に耳を傾けることから始めてほしいものです」と話している。