れいわ新選組の山本太郎代表(47)は12日、国会内で記者会見し、夏の参院選比例代表にキムテヨン(金泰泳、本名・井澤泰樹=59)氏の擁立を発表した。比例代表の候補では3人目となる。

 キム氏は在日コリアンで、2009年に日本国籍を取得し、東洋大社会学部では教授として教鞭を執っていた。会見で質問が相次いだのは、社民党との関係だ。キム氏は今年1月に社民党から参院選の比例代表の公認候補として、立候補会見を開き、既に活動していたからだ。

 キム氏は「社民党さんを出た人間、去った人間として、あまり詳しくいうことはかえって、社民党さんに批判的なニュアンスになってしまう。あまり詳しいことは言うべきでない」と前置きしたうえで、離党の決定打となったのは今月19日の党大会に参加した際のことだという。

「(社民党が)厳しい状況に至った総括、分析、それを踏まえて、どうしていこうとしているかの方針が聞かれなかったことにショックを受けた。自分の熱が急速に冷めるのを感じていた。遅かれ早かれ、ここを去ることになると感じていた」と29日に離党届と同時に公認辞退を申し入れたという。その後、選挙区から無所属での立候補を模索したが、れいわへ打診し、公認を得たという。

 れいわからの擁立やキム氏の行動に反発の声も出ており、社民党との間にもしこりを残しかねないが、キム氏は「社民党の方を傷つけた。今回の選挙の向こうを見たい」と公認を得てから2か月の活動費やチラシ、ポスター代などは自己負担するとして、理解を求めた。

 また山本氏は「うちは何もない。向こう(社民党)がどう考えるか。キムさんとしては筋を通された」と話した。