政府は、12日に期限を迎える新型コロナウイルス緊急事態宣言について、9日にも対策本部会合を開き、延長する地域や期間を決める。菅義偉首相は7日、関係閣僚と官邸で会い、対応を協議した。病床使用率や感染状況を見極め、専門家の意見も踏まえて判断する。栃木、京都など宣言発令中の府県からは延長要請や解除は困難との見方が相次いで示された。

 宣言は21都道府県に発令中。新規感染者数は減少傾向にあるが、医療提供体制は多くの地域で逼迫が続いている。特に病床使用率が高い首都圏4都県や近畿、中部の大都市部を軸に、延長に向けた詰めの調整を進める。延長幅は2週間から1か月程度を見込んでいる。

 コロナをめぐっては人によっていろいろと対応が分かれている。感染対策にマスクをする人がいれば、ノーマスクを叫んでデモをする人もいる。また、反ワクチンを訴える人たちもいる。

 日本政府がワクチン接種証明書のデジタル化を検討する一方で、ワクチンをめぐっては接種反対派の存在も根強い。英国では今月、接種推進に反対するデモ隊と警察が衝突し、ケガ人が出ているが、日本でも反ワクチン派の活動は衰えていない。8月後半には全国的にデモが行われ、多くの人たちを恐怖させた。

 参加者はいったい何を考えているのか? 反ワクチン派でありながら、身近な人がコロナに感染して苦しんでいるのを見てワクチンを接種することにした男性会社員はこう話す。

「反ワクチンの考えを持つ仲間が話していたのは、『自分は絶対に感染しない』とか『試しにコロナに感染してみたい』とかいうことでした。周囲に重症化した人がいないから恐ろしさがピンと来ていないのでしょう」

 反ワクチン派はコロナを軽視しているのでノーマスク率も高い。そんな人たちが感染したら、ノーマスクで出歩くことになるので周囲の危険度は増す。

「軽症で済んだ場合はますます『自分が正しかった』となってしまうのでしょう。かといって重症になっても病床が足りないので困りますけどね」(前出の男性)

 考え方は個人の自由だが、注意が必要なのは間違いない。