中国寄りなのはWHOだけじゃない 国連専門機関のほぼ半数に影響力

2020年05月20日 16時20分

 トランプ大統領は18日、ツイッターで世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に宛てた同日付の書簡を公表し、新型コロナウイルスを巡る対応などが中国寄りだと批判、30日以内に改善できなければ資金拠出を恒久的に停止し脱退も検討すると通告した。

 米国はWHO最大の資金拠出国だったが、トランプ大統領は先月、パンデミックを巡るWHOの対応が「中国中心だ」と不快感をあらわにし、当面支払いを停止すると発表した。

 WHOの予算は2年単位で編成され、2018~19年は総額約56億ドルのうち、米国が15%強の約8億9000万ドルを拠出。中国の拠出金はその約10分の1だった。にもかかわらず、テドロス体制のWHOが中国べったりなのは割に合わないというわけだ。

 実は中国が影響力を行使する国連専門機関はWHOだけではない。

 国際通貨基金(IMF)や国連教育科学文化機関(ユネスコ)など15の国連専門機関のうち、国連食糧農業機関(FAO)など4機関で中国人がトップポストを占める。

 また、3機関は中国が経済的影響力を行使する国々の出身者が主導している。中国と関係の深いエチオピアのテドロス氏率いるWHOもその一つだ。

 そんな中、世界知的所有権機関(WIPO)の事務局長選挙が3月に行われ、中国人候補者の王彬穎WIPO事務次長とシンガポール人候補者のダレン・タン氏の一騎打ちとなった。

 米国を中心とする西側各国は「国際機関でこれ以上“中国支配”が拡大するのを阻止する」としてタン氏を支援。欧米諸国の連携が成功し、タン氏の指名が確定した。

 過半数となる8つ目の機関の“中国支配”はかろうじて阻んだものの、“世界唯一のスーパーパワー”とされる米国の代表がトップを務めるのは15の機関で世界銀行ただ1つというのが現状。

 米国の影響力低下に反比例し、覇権を狙い台頭する中国に対するトランプ氏の不満と怒りが、今回のWHOの対応で頂点に達したと米メディアは伝えている。