【ボートレースアカデミー】チルトを徹底解説

2016年06月15日 10時30分

舟券的中への近道 ボートレースアカデミー

<意味>「チルト? 冷凍食品のことね」。いえいえ奥さん、それはチルド。第一当欄は家庭面じゃありませんから。「ピンボールを揺らした時に台が固まるアレ?」。おっ、お兄さん、いい線いってます。確かにそれもチルト。語源は「傾ける」。それが転じてボートではエンジンの傾き=取り付け角度を指します。

<角度の詳細>チルト角度にはマイナス0・5度、0度、0・5度、1度、1・5度、2度、2・5度、3度の8段階あり、何段階使えるかはレース場によって異なる。

 ボートに対してエンジンを直角に取り付けるのが0度。この場合、理論的には航走中のボートの舳先(へさき)は水面と平行に進む。対してマイナス0・5度にすると舳先が水面下を向く=ボート底面の接水面積が大きくなり、コーナーで安定感が増す。

 逆にチルト0・5度は舳先が上を向き、ボート底面の接水面積は小さくなり、抵抗が少なくなるので伸びがアップする半面、コーナーのグリップ力は落ちる。チルトをさらに上げる(はねる)と理論的にではあるが、伸びに偏るというわけ。

 つまり、狭い水面でチルトを上げるとコーナーで小回りできずに対岸に激突、という事故が起こりやすくなるので戸田が0・5度までしか上げられないのもこの理由(3度まで使えるレース場は概して広い水面)だ。

<角度の変え方>チルト角度は、チルトアジャスターという五角形の板によって変えられます。えっ、五角形なら5段階しか使えないだろって? ごもっとも。チルト2度以上が使えるレース場で2度以上を使う時には、2枚目のチルトアジャスターに替えてからチルト角度を変えることになるんです。

<マイナスチルトが起こした革命>今では1節の参加選手のうち、0度以上のチルトを使う選手はほんの数人になりました(安定板装着時を除く)。実はチルトにマイナスが採用されたのは20年ほど前から。

 それ以前は0度が下限だったためグリップ力は現在より格段に弱く「ボートは乗りにくい」というのが常識でした(新聞のコメントに「乗り心地」という言葉が躍り始めたのもマイナスが採用されてから)。

 マイナスチルトが乗りやすさをもたらし、レバーを握りっぱなしの「息もつかせぬ」コーナー戦の時代が来たというわけ。毒島誠や桐生順平、篠崎元志、茅原悠紀などは、まさに“マイナスチルトの申し子”といえるでしょう。