タレントの関口宏が司会を務めるTBS系「サンデーモーニング」が29日、放送され、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻を特集した。

 米メディアからは、ウクライナに領土の譲歩を促す報道が出てきたことを紹介。また、キッシンジャー元国務長官が、両国の境界線は侵攻前の状態に戻るのが理想と語ったことで、ロシアが2014年に一方的に編入したクリミア半島についてウクライナに奪還をあきらめるよう暗に提言したと伝えた。これにウクライナのゼレンスキー大統領は当然、猛反発している。

 キッシンジャー氏の発言に関口は「キッシンジャーというずいぶん古い人が出てきちゃったなと私なんかは思う」と疑問視。コメンテーターに意見を求めた。

 外交問題に詳しい立命館大客員教授の薮中三十二氏は「どこかで誰かが苦しいなかで停戦の条件を考えなきゃいけない」と切り出す。ロシア、ウクライナの境界線をめぐり「(侵攻前に)戻れっていうのはプーチン(の気持ち)は収まらない。これだけ(領土を)取ってますので」と指摘し、「かたやゼレンスキーさんも(ロシアが)相当取ったというのは認められない」と続けた。

 その上で「仲介できるのは米国だけ」とみるが、「どうも米国はそこまで仲介する意欲も力もない」と述べる。「だから、もう少し状況が続いていく恐れが強いと思う」と侵攻の長期化を懸念した。