性加害が問題になっている日本の映画界で、今度は〝子役虐待撮影〟に批判が殺到している。

 今夏公開予定の映画「激怒」の公式ツイッターは25日、同作の制作に関わった小林勇貴氏のクレジットを外すことを発表。理由は、同氏が監督した「ヘドローバ」(2017年公開)で、子役に過剰な暴力演出をしていたことが明らかになったからだ。

「激怒」のプロデューサー森田一人氏は「まったくもって言語道断であり、容認できようはずもありません」とし、小林氏のクレジットを外したことを説明した。

 今回問題になっているのは、4年前の「ヘドローバ」のメイキング映像。そこでは、子役がコワモテの男性役者から頭をつかまれ、何度も顔をたたかれるシーンが映し出されている。子役は大泣きしながら嘔吐(おうと)し、セリフが言えない状態だった。

 ところが小林監督は動画内で「恐ろしいものが撮れてしまいましたが、すごい良かったです。児童虐待が撮れました」と悪びれずコメント。子役をビンタした役者も「泣かせてやろうとは思っていたんですけどね。セリフを言ってくれないと、オレもいじめ続けるしかないから。ボコボコにしたりましたわ。たぶん、映画界にあんな本気で殴っているシーンはないです」などと得意げに話していた。

 するとSNSでは「虐待で提訴されるべきだ」「まだ子供の子役。演出を断れない状況だったのでは」などと批判の声が殺到している。映画関係者によると「リアルを求めるあまり、歯止めが利かなくなったのではないか」という。

 最近、榊英雄監督や、園子温監督など、映画監督による女優への性加害疑惑が報じられているが、またも日本映画界のうみがあらわになった格好だ。

「今回は子役からの告発ではなく、炎上を受けて、クレジットを外している。この対応を取っただけでは、撮影現場や監督の過激な演出方法への防止になるかどうか」(芸能プロ関係者)

 過激演出にならないための知恵が求められそうだ。