TVプロデューサーのデーブ・スペクター氏が、ゴタゴタ続きの東京五輪開会式を独自の視点で〝激辛ジャッジ〟した。開会式直前に音楽担当の小山田圭吾が辞任、演出担当の小林賢太郎氏が解任されたことで、いったいどうなることやらと日本国民の注目を集めていた。デーブ氏は「驚きもときめきもない!」とダメ出しの連発。その点数は――。

 開会式は23日午後8時から東京・国立競技場でスタート。MISIAが国歌を歌い、森山未來はコロナ犠牲者にささげるパフォーマンスを披露した。選手入場時にはドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーなど人気ゲームの音楽を使用。ほかにも1824台のドローンで国立競技場上空に地球を作るなど、見どころは盛りだくさんかと思われたが…。

 日付が変わる直前に終了するまでつぶさにチェックしたデーブ氏は「いやー、想像以上にひどかったね」とのっけからぶった切り。「正月でよく通販のおせちのCMあるでしょ。あれと同じダヨ! 見た目は豪華に見えるけど、中身はスカスカでどうしようもないんだもん!」と怒り交じりに解説を始めた。

「まず、ステージも何も作りこんでないじゃん。だからスカスカに見えるでしょ? 無観客だから、寂しげにも見える。それだったら、行進で入ってきた選手団を席に座らせるとかしたら良かったんじゃないの? あの時間、長かったし、選手も座りこんでたじゃん」

 真矢ミキが大工や火消しの棟梁となったパフォーマンス、市川海老蔵による歌舞伎など、〝日本らしさ〟を存分にアピールしたが、デーブ氏の見方は違う。

「日本らしさが全く出てないよ! あの江戸のダンスあったじゃない? 肝心なはしご乗りがない。歌舞伎も演出がしょぼい。もっとできたと思うよ。花火もしょぼい。あれだったら、隣の神宮球場でヤクルトがホームラン打った時の花火の方が派手なんじゃない? いったい何年、準備しているの?」とバッサリ。

 不満たっぷりのところ、唯一、劇団ひとりが登場したシーンは期待に胸を躍らせた。しかし、あっさり裏切られてしまった。

「あの劇団ひとりが『へのへのもへじ』を書いたけど、あれ、外国には伝わらないよ。競技場の電源が入るシーンは良かったのに、なんか釈然としないね」と残念そうに語った。

 デーブ氏から見た開会式は、ユーモア、ときめき、驚きがなく、テンションは低い…まさにないない尽くし。

「これなら演出は劇団四季か、NHKに任せたほうがよっぽど統一感あったんじゃない? もしくは演出はテリー伊藤さん、音楽はつんく♂とかさ。演目がバラバラ。これ予算いくらなの? 中抜きがひどすぎるよ。けち臭いし」と手厳しい。

 日本らしさを出そうとしたのに、出し切れなかったことにデーブ氏のいら立ちも募っているのだ。「日本らしいものだったら、ロボットとかもっと出してほしかった。ガンダムね。あとはゴジラとか、ポケモンとか出したほうが良かった。ドローンの演出は良かったけど、あれは海外でもやってて二番煎じじゃない? お台場からこっそり(展示されている)ガンダムを借りてきて、夜中に戻しておけばバレなかったよ」

 これだけ酷評しているのだから、当然デーブ氏による開会式採点も全くと言っていいほど期待できない。

「いやー、コロナ禍というのもあったんだけどさ、準備できる期間あったよね? 延期になってみんなやる気をなくしちゃったのかな? 本当はマイナスって言いたいぐらい」と語りつつ、「パフォーマーは頑張ってた。だから、その分の20点と、夜遅くまで頑張ってた子供たちに10点プラスで30点だね。労働基準法は大丈夫だったのかな?」とジャッジ。

 及第点には全く達していない「30点」という低評価。最後は「閉会式はハードルが下がったね」と皮肉で締めた。