五輪開催のため? 厚労省のコロナ病床使用率の集計法変更に〝改ざん〟との指摘

2021年06月12日 16時00分

コロナウイルス感染者を治療する救急救命室(ロイター)

 全ては東京五輪開催のためなのか――。厚生労働省は4日から新型コロナウイルス感染者の病床使用率の集計方法を変更したが、海外から数値の〝改ざん〟との指摘が飛び出している。

 先月までは入院中の感染者だけでなく、入院先が決まった人を含めて集計していたが、新方式は実際に入院中の人だけをカウントする。これにより新方式導入直前の時点で、医療のひっ迫が最も深刻な「ステージ4(50%以上)」状態にあるのは20道府県だったが、新方式では、大阪や愛知など11道府県に減少していた。

 そんな中、香港メディア「サウスチャイナモーニングポスト」が、今回の変更に対して批判を展開。「病床使用率は、政府がパンデミックの状況を把握し、緊急事態の指示を出したり、解除したりする際の指標の一つとして重要な意味を持っている。日本は東京五輪を控えているので、物事を実際よりよく見せようとする露骨な試みのようだ」と指摘した。

 さらに感染症に詳しい北海道医療大学の塚本容子教授のコメントも掲載した。「精度が低く、国のさまざまな地域で実際に何が起こっているのかを実際に説明していない。現在、日本にはウイルスの亜種が増えている。政府は、医療専門家や一般の人々に必要な情報を提供するためにできる限りのことをするべきだ」

 日本政府の加藤勝信官房長官は、新型コロナウイルスの感染状況を示す指標の一つである病床使用率の算出方法変更について、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の判断基準を変更しないことを強調。しかし五輪開催に向けて20日にも東京などの緊急事態宣言解除を検討している段階だけに、見た目上の数値がよくなる変更は憶測を呼ぶ結果となった。

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