東京五輪期間中に選手村でコンドームを配布する目的について、組織委員会の「母国で持ち帰って、啓発に協力してもらう」という説明に、世界もびっくり仰天だ。

 今大会、国内コンドームメーカー4社が約4万個ずつ、合計約16万個を配布する。狙いについて組織委員会は「選手村で使うというものではなく、母国に持ち帰っていただき啓発にご協力いただくという趣旨・目的のもの」と説明。1988年ソウル五輪からHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染予防を目的に始まり「IOC(国際オリンピック委員会)がその撲滅のための啓発活動の一環として行っている」という。

 しかし新型コロナウイルス感染拡大下では、なんとも奇妙な説明に聞こえたようだ。真っ先に反応したのが中国。「新浪体育」は「選手村では飲酒が可能 コンドームは配られるが、選手村で使うものではない」と報道。飲酒可能で日本国民が怒っていることに加え、16万個のコンドーム配布についても組織委員会の意図を伝えた。この記事で、中国読者は飲酒よりもコンドーム問題に注目。「日本人て…」「うそでしょ」「国に帰って使えというのか?」と驚きのコメントが続いた。

 また、中新社華舆は「コンドームを15万個(原文まま)も配って、どうやって感染を防ぐのか」と報道。組織委員会の意図を伝えたうえで「組織委員会の見解はこう解釈されるかもしれない。『コンドームを配るのは、使うためではありません。でも何を言っても、性行為を禁止することは難しいので、学ぶにせよ、使うにせよみんな自分で考えてください』と」と、選手に判断が丸投げされ、意図が通らぬ可能性を指摘した。

 すでにシンガポールの「CNA」は、配布そのものに対し「規則では、ハグ、ハイタッチ、セックスは禁止されているが、主催者は依然として15万個のコンドームを配布する予定で混乱を招く」と矛盾を指摘している。

 海外の声を聞くまでもなく、意図を説明しても通じない可能性は大。配布の行方に世界が注目している。