横浜でヘビ脱走 専門家に聞く「人に危害を加えた場合の責任はどうなるか」

2021年05月10日 11時30分

逃げたニシキヘビに毒はないが…(写真はイメージ)
逃げたニシキヘビに毒はないが…(写真はイメージ)

 神奈川・横浜市戸塚区でペットとして飼われていたアミメニシキヘビが6日夜に脱走。戸塚署の署員十数人が捜索活動を続けているが、いまだ見つかっていない。アミメニシキヘビに毒性はないが、締め付ける力が強く、人に巻きついて死亡させる危険性がある。それだけに近隣住民は不安を抱く。飼っているペットが逃げ出し、万が一人に危害を加えた場合、飼い主はどのような責任を問われるのか。専門家に聞いてみると――。

 アミメニシキヘビは、人に危害を加える恐れがあり、飼育に許可が必要な「特定動物」に指定されている。南アジア、東南アジアに分布。川や沼などの水辺を好み、市街地では下水道に潜む。海外では、下水道から下水管を伝って、民家の便座から出てきた例もあるという。

 戸塚署によると、今回逃げたヘビは体長約3・5メートル、体重約13キロで黄色をしている。市の許可を得てマンション2階の居室で飼育していた男性は6日午前8時ごろに外出し、午後9時ごろ帰宅。飼育用の木箱の中にいないことに気付いた。ヘビはケージのカギを壊し、換気のために開けていたベランダの窓の隙間から逃げたとみられ、いまだ見つかっていない。

 このヘビが実際に人間に危害を及ぼした例もある。約3年前にインドネシアで、54歳の女性が畑仕事をしていた際、体長7メートルのアミメニシキヘビに丸のみにされる事故が起きた。近くで見つかったヘビの大きく膨らんだ腹を裂くと、女性の遺体が外傷のない状態で現れたという。さらに、その1年ほど前にも、同じインドネシアで25歳の男性が丸のみされている。

 獲物を締め付けて、窒息もしくは心臓を止めて殺してから、丸のみするようだ。

 飼っているペットが人に危害を加えてしまった場合、飼い主はどのような責任を問われるのか。

 アディーレ法律事務所の長井健一弁護士は「犯罪にはなりませんが、損害を賠償する民事上の責任を負います(民法718条1項)。ただし、ペットの種類や性質に応じて『相当の注意』をもってペットを管理していた時は、責任を免れることになります。また、被害者が病院にかかった場合や死亡した場合は社会通念上、ペットの行為により生じた損害であると認めることが相当と判断される範囲の損害を賠償する責任を負います。例えば、治療費、通院交通費、休業損害、逸失利益、慰謝料(入通院・後遺症・死亡)などがあります」と説明する。

 ヘビの飼い主の男性は市から許可を得たガラス製ケージでなく、別の木製ケージにヘビを入れていたことが分かっている。このように無許可のケージで飼育していた場合はどうだろうか。

 長井氏は「飼育施設が変わった場合には変更許可が必要です。許可を受けずに変更した場合は、6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金(動物愛護法45条3項)となります。無許可のケージでペットが脱走し人に危害を加えた場合、動物愛護法上の罰則は同じです。民法上の賠償請求をされた場合に、『相当の注意』をしていたと言えなくなり、賠償責任を負うことになります」と説明する。

 アミメニシキヘビに限らず、犬や猫などのペットの飼育には、慎重な管理が必要だ。

関連タグ:

ピックアップ