「NHK受信料を支払わない方法を教える党」(NHK党)の立花孝志党首(53)が、また選挙システムの盲点を突く〝攻略法〟を編み出した。24日、堀江政経塾で講師を務めた立花氏が、〝インディー大連合〟ともいえる諸派党構想を明かした。そのカラクリは?

「参院選で、諸派の政党を合体させようと思っている。それぞれの政党に支持者がいるが、現実は供託金が没収されるだけ。各党の代表者を比例区から立候補させ、議員になればその政党の政策を実現すればいいし、なれなくても取った分の票に応じて、政党助成金を割り振る。600万円で諸派の政治団体が参院選の比例区にチャレンジできる。発明じゃないか」

 参院選で国政政党でない政治団体が、比例区に候補者を出すには10人を擁立し、最低でも3300万円が必要になる。

 2年前の参院選では、れいわ新選組、NHKから国民を守る党(当時)、幸福実現党、労働の解放をめざす労働者党、オリーブの木、安楽死制度を考える会の6つの政治団体が立候補。れいわとN国党が得票率2%以上の要件を満たし、国政政党となったが、その他の政治団体は供託金没収の憂き目に遭った。

 立花氏が目をつけたのは、この落選組で、一つにまとまれば、一定の勢力になる。同参院選の場合なら落選した4団体の得票数の合計は約72万票。N国党の得票数と足せば、約170万票(3・41%)にもなり、2人当選も見込める勢力となってくる。

 この統一名簿方式は、〝オリーブの木構想〟といわれ、小沢一郎氏が長らく野党結集を呼びかけていたが、政策の違いや主導権争いで、実現していない。「諸派党」はそのミニマム版ともいえるが、政策の違いはどう乗り越えるのか?

「パチスロの4号機復活を掲げるパチンコ党と、パチンコ反対を訴える日本第一党が諸派党から出てもいい。どんな考えも受け入れる。諸派党内で票が多い方が当選になるから、政策上は応援できなくても政党助成金は入る。それが嫌なら無理だが、諸派である程度まとまれば(票が固まるため)、この話に乗るか、もう選挙から降りるかになってくる」(立花氏)

「諸派党」は来年の参院選は時期尚早として、4年後の参院選での導入を視野に入れている。「自民党が嫌いだから民主党に入れる時代じゃない。もう今の既成政党はみそもくそも一緒。時代の変化に対応するのが大事」と立花氏。ワンイシュー候補や政党が乱立する流れの中、大同団結すればたしかにチャンスは出てくるが…。