芸能人を中心にした検察庁法改正に抗議するツイートの話題が続いている。歌手のきゃりーぱみゅぱみゅは、抗議のツイートを削除した上でコメントを発表。「自分なりに調べた中で思ったのは今コロナの件で国民が大変な時に今急いで動く必要があるのか、自分たちの未来を守りたい。自分たちで守るべきだと思い呟きました」と説明した。

 ほかにも抗議のツイートをする芸能人がいる中で、きゃりーの一件は芸能人が政治的意見を表明する難しさを象徴している。にわかに注目度が高まった同改正案は検察官の定年を延長するもので、特に役職定年を内閣の判断で延長できる点が問題視されている。立憲民主党の安住淳国対委員長は「恣意的な人事を行うための法改正を認めるわけにはいかない」と気勢を上げているが、自民党は今週中に衆議院通過という考えを変えていない。

 永田町関係者は「検察庁法改正案のほかにも与野党の対決法案があります。その一つが種苗法改正法案です。こちらも反対意見が多く、今急いでやることなのかと反発があります」と指摘した。

 種苗法改正案は農作物の優良品種の海外流出を防ぐことが期待される一方で、農家の自家採種が禁止されるのではと心配されている。もし禁止となれば種を買うことになり農家のコスト負担が増え、農作物の値段も上がるかもしれない。

 ツイッターでは「種苗法のことも声をあげてほしいよ芸能人の皆さん」「芸能人や著名人には種苗法改正にも注目してほしい」と期待する意見がある。今は削除されているが、女優の柴咲コウがツイッターで取り上げていた。また、ギタリストのSUGIZOは検察庁法改正案とともに種苗法改正案にも反対のツイートをしている。

 安倍内閣のコロナ対策への不信感が政治への関心を呼び覚ましている。賛否はともかく考えるきっかけにはなりそうだ。