テレビ朝日系情報番組「グッド!モーニング」が、新型コロナウイルスと闘う日本人医師のコメントを恣意的に編集してネット炎上した問題で、テレ朝は8日、同医師の考えを12日に追加で放送すると発表した。

 恣意的な編集をしたとして「グッド!モーニング」に批判が集まるのは仕方ないが、その一方でテレビ局には想定外の抗議も殺到しており、各局とも疲弊している。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各局とも報道・情報番組以外の収録を一時休止。バラエティー番組は総集編や再放送をすることで対応しているが、困った事態が起きている。

「総集編や再放送ですから、今の状況とは合わないのは仕方ないのですが、それでも抗議が殺到するんです。例えば、旅をテーマにした番組では『旅行自粛を要請されているのに、なぜ放送するんだ!』など。報道番組では自粛の必要性を伝えているので矛盾を感じているのでしょうが、だからといって違う番組を放送することも難しいので…」とテレビ局関係者。

「STAY HOME」が周知されたことで、視聴率アップが伝えられるテレビ界。「視聴者が増えていいと思うかもしれませんが、先の見えない自粛でみんなのイライラが限界に達している。テレビ局への抗議もより激しく、内容も細かくなっている。今はネットが普及したことで、SNSですぐさま拡散。番組を見ていない方からも『不適切だ』などと抗議が来るようになっている」(前同)

 テレビ局は抗議急増に参っているだけではなく、先行きが見通せないことにも頭を悩ませている。新型コロナ感染が終息へと向かい、緊急事態宣言が解除されたとしても感染者がゼロになることは難しいし、第2、第3波も予想されているからだ。

「タレントを集めた収録を行うことは当分難しい。収録でクラスターが発生したら大問題になるだろうし、番組の消滅、スポンサーにも迷惑がかかる。従来どおりの収録が、いつ可能になるのかも分からない」(前同)

 テレビ業界の苦悩は続きそうだ。