俳優の草なぎ剛(46)が9日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で行われた、映画「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)の記者会見に出席した。

 草なぎがトランスジェンダーの凪沙役を演じて反響を呼んだ同作は、海外メディアの間でも話題となり、同協会の熱烈オファーを受けて会見の開催が実現した。草なぎは「この作品がいろんな方に、少しずつですけど、広がっているのを感じます」と心境を明かした。

 トランスジェンダーという難しい役柄を引き受けた理由に海外メディアも注目。草なぎは「難しいと思ったんですけど、それ以上に、感じた事のない温かさを感じ、この作品に参加したいという気持ちの方が勝ってしまって…。すぐに参加しました」と話した。

 海外メディアからの「LGBTの友人はいるのか?」という質問には「LGBTの友達はいないんですけど、今まで芸能活動において、仕事をさせてもらった方は何人かいました。みんな優しくて、僕の事を助けてくれました」と感謝の意を表した。

 このコロナ禍で映画業界も影響を受けているが「ミッドナイトスワン」は、興行収入3億円を突破。「アニメや原作がある作品ではなく『ミッドナイトスワン』のような作家性の強いオリジナル作品がヒットするということ自体が異例。しかも、コロナ禍で客席が制限されている中で、この興収は大ヒットと言えます」とは映画関係者。

 同時期にはクリストファー・ノーラン監督が手掛けたハリウッド大作「TENET」を始め、人気シリーズのラインナップが多い中で「LGBT」という難しいテーマを扱った作品のヒットは映画界でも驚きを持って受け止められている。

 草なぎ自身も「自分の代表作と言える作品」と言うほどだった。来年以降もオファーが殺到しそうだ。