どうも! 有村昆です。話題のニュースに合った映画をご紹介する当コーナーの第3回は「八百長」を取り上げたいと思います。

 昨年、大みそかに行われた格闘技イベント「RIZIN.33」が騒動になりました。対戦することになった元K―1王者の久保優太選手に、格闘ユーチューバーのシバター選手が試合の流れを申し合わせようと働きかけたというもの。多くの意見がありましたが、今回のシバター選手の件は八百長とまでは言えないまでも、選手、関係者、ファンなどの間で相当物議を醸しましたよね。

 僕がご紹介するのは、ネットフリックス作品「スポーツ界の闇:八百長に手を染める人々」です。これは、実際に起こった世界の八百長事件をネットフリックスの製作チームが検証し、深堀りしたドキュメンタリーなんですよ。内容は「八百長バスケ」「マリファナレーシング」「カルチョ・スキャンダル」「銀盤の冷戦」「馬術界の殺し屋」「汚れた英雄」と6つのエピソードに分かれていますが、その中でも「八百長バスケ」にスポットを当てたいと思います。

 この出来事は1994年に米アリゾナ州立大学に通う、バスケットボール選手の学生が借金の返済を理由に八百長に加担して大問題になった事件です。その学生はNBAからスカウトされ、将来を期待された優秀な選手でした。ある日、ギャンブル好きの他の学生が彼に八百長話(スポーツ賭博)を持ちかけます。「試合を3点差で負けてくれたら見返りをあげるよ」と。他にも細かい要求はありましたが、その優秀な学生選手はやってのけ、見返りを受け取ります。

 彼も八百長には加担したくないと思っていますが、奨学金の返済や明日食べる物にも困っている生活。“貧困”という事情を抱えており、泣く泣く八百長に手を染めてしまいます。その後、八百長話を持ちかけた学生たちの要求はどんどんエスカレートしていきますが、賭け金が多くなり過ぎてレートが大きく変わることに警察が気づき、秘密裏に捜査が開始されます。その結果、今回の一大スキャンダルが発覚! 将来が約束されたはずの学生選手はバスケットボール界から追放されてしまいます。

 いや~、これは考えさせられました。もちろん八百長はダメなことです。お金を受け取ることで次も、また次もとエスカレートして歯止めも利かなくなる。しかし、分かっていても、陥ってしまう事情も理解できます。先ほど触れた通り、背景には貧困問題が横たわっており、米国の社会問題にもつながっているんです。何かの道を純粋に志しているはずなのに、それを利用する人たちがいます。そこに目を向けない限り、根本的な解決にはつながらないと思うのですが…。

 その他のエピソードも「何が正解だったのか?」とドカッときます。“スポーツ界の闇”“表と裏”を知るのに見応え十分の一本です。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。2012年に丸岡いずみと結婚。18年に第一子をもうけるも、昨年5月に報じられた女性スキャンダルが原因で同年7月に離婚した。