エンターテインメントのカリスマが最後の置き土産だ。ジャニーズタレントで俳優の生田斗真(34)が、10月スタートの日本テレビ系土曜ドラマ「俺の話は長いのよ(仮題)」の主演を務めることが22日、本紙の取材でわかった。ここで何と義理人情に厚いニートという不思議な役を演じるという。実は生田にとって同局のドラマ出演は15年ぶり。なぜ今回オファーを引き受けることを決断したのか。そこには、天国に旅立ったジャニー喜多川さん(享年87)への思いがあった――。

 生田が日テレのドラマに出演するのは2004年に放送されたドラマ「監察医・室生亜季子 第35作 墜転落死」以来、実に15年ぶりだ。これまで同局のドラマにはなぜか縁がなかったが、今回は実現した。

 芸能プロ関係者は「『監察医――』は、香川照之の母親である浜木綿子がヒロインを演じた元祖・監察医ドラマです。人気シリーズで視聴率は常に15%をマークしていました。生田は第35作で、藤田朋子の弟役を好演し、浜からもかわいがられていましたね。ちなみに生田が尊敬する俳優は香川です。いろいろ感慨深いことでしょう」と話す。

 今回、生田は30代前半で7年間無職を貫くニート、鈴木弥太郎(仮役名)を演じる。プライドが人一倍高く、屁理屈ばかりこねくり回す救いようのないキャラクターだ。

 日テレ関係者が明かす。

「一応、自分の今の生き方を何とかしたいと考えてはいるんですが、チャレンジしてはプライドが邪魔して失敗するんです。特技は、これまでの人生で負けたことがないという口ゲンカ。それでいて、自分はだらしがなく、定食屋を経営する母親に寄生しています。まあ、端的に言うとダメ男ですね(笑い)」

 生田といえば、超イケメンなのは誰もが認めるところ。脱げば、ストイックに体を鍛えていることで知られ、現在放送中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」では、ムキムキの肉体美を披露したこともあった。にもかかわらず、なぜこんなタレントイメージを左右しかねない役を引き受けたのか。

 実はこのドラマ、今月9日にくも膜下出血のため他界したジャニー喜多川さんの生前最後のドラマ企画だったのだ。

 事情通がこう耳打ちする。

「このドラマの裏テーマは義理人情なんですよ。まさに『男はつらいよ』の寅さんの世界。もともと、ジャニーさんは寅さんの大ファンなんです。おせっかいで人情に厚く、最終的には損ばかりしている寅さんのような男を主人公にした企画を考えていたんですよ。今回、生田演じる鈴木もダメ男なんですが、涙もろく、最後は他人のために動いて自分が損をしてしまう。まさにこの企画はジャニーさんの置き土産と言っても過言ではないのです」

 だとすれば、ジャニーさんの最後の思いを生田がくみ取るのはある意味当然と言えるだろう。共演者として、広瀬すず(21)や菅野美穂(41)の名前が挙がっており、注目度は十分。さらに同ドラマにはある仕掛けが施されるという。

「1時間放送されますが、30分で1話完結という放送方法を選択します。これは、スマホでドラマを視聴する習慣を検証した結果なんです」(同事情通)

 土曜枠では現在、唐沢寿明主演のドラマ「ボイス 110緊急指令室」が放送中だが、日テレ内では大コケの烙印を押されつつあるという。

「初回視聴率こそ12・6%だったが、20日の第2話で8・4%に急落してしまいましたからね。『いったいどこまで落ちるのか?』と局員は、ハラハラドキドキ状態なんです(苦笑)。だからこそ、生田の新ドラマにかける期待は大きいんですよ」(前出の日テレ関係者)

 ジャニーイズムの息吹をドラマに吹き込めば、生田は土曜ドラマの救世主になる!?(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)