アイドルグループ「NGT48」は21日、公式ホームページで全メンバーのSNS停止と、SNSで不適切な投稿をしたとしてメンバーの加藤美南(20)が、研究生に降格することを発表した。グループから卒業した山口真帆(23)ら3人に関する加藤のインスタグラムの記述がきっかけだ。NGT騒動が泥沼化した要因にもなった“SNS投稿”について、運営側は今後の指導徹底を宣言したが、どうにも焼け石に水状態。いまだ難問が山積しており、ネット上の騒ぎは一向に収まらない。

 NGTは21日正午、公式サイトで「加藤美南のSNSで不適切な投稿がございました。皆様には大変不愉快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます」とし「不適切な投稿をした加藤美南を本日付で研究生降格処分と致します」と発表した。

 問題となった加藤のコメントも掲載。加藤は謝罪するとともに「ネイルサロンでニュースを見て悲しい気持ちになってしまい、友達だけに公開しようと自分の心境をストーリーに述べたのですが、間違えて全ての人に公開してしまいました。親しい友達にしか見せないとはいえ、人の気持ちを考えていない投稿でした」と説明した。

 この問題は前日20日、ネット上にNGTチームNIII(4月解散)のキャプテンを務めた加藤のインスタグラムのスクリーンショットが拡散。画像には、18日の山口ら3人の卒業公演を紹介した20日放送のテレビ番組を映しながら「せっかくネイルしてるのにチャンネル変えて欲しい」とのコメントが書き込まれていた。加藤のコメントにある「ストーリー」とは、投稿が24時間で消える機能のこと。

「大多数のファンは加藤のインスタを、山口らをやゆしていると受け止めている。騒動によるグループへの厳しい風当たりもあり、想像を超えるバッシングが吹き荒れた」(芸能プロ関係者)

 その背景にはネット上で広がる“山口派”と“反・山口派”のメンバー間の対立関係がある。

 1月にファンを名乗る男2人による山口への暴行が発覚。第三者委員会でファンとのつながりを持つメンバーが指摘されるも、運営会社AKSは事件への関与はないとして処分せず「不問」に。その後も山口は処分を訴え続けたが、卒業するまで状況は変わることはなかった。

 ネット上では山口を襲った男2人を含む暴走ファングループとつながるメンバー探しが過熱。山口のSNSなどでの言動、対立するメンバーの不適切な投稿も発見され、それらの投稿に対する運営側およびメンバーの説明も不十分だったため、加藤も“反・山口派”と認定される事態になった。

「加藤ら一部のメンバーが『裏ではもっと山口らへの批判や不満をやりとりしているのでは?』とネット上に推測があふれる状況で、山口が卒業しても『まったく反省していないのでは?』と断じる声も多い。暴行事件の真相が明らかにならないため“黒幕”と断じる声まで噴出してしまっている」(前同)

 この日は同公式サイトで「メンバーへのSNSの指導が徹底できるまで、本日23時からNGT48全メンバーのSNSの運用を一旦停止させて頂きます」と報告しているが、ネット上ではSNSの指導以前に根本的な真相解明が求められているのだ。

 これまでも加入メンバーがSNSを始める際、東京のデジタル部門のスタッフがグループの拠点・新潟を訪れ、指導はしていたという。AKS関係者によれば、同部門のスタッフが再指導するか、新たに外部の人材を招いて指導をするかどうか「検討中」だという。

 それでも出版関係者は「表向きのSNSを停止しても、“裏垢”(うらあか=裏アカウントの略)と呼ばれるツイッターやインスタグラムの非公開アカウントが問題。指導の中には裏垢などの禁止も入ると思いますが、徹底できるかは難しい。何度もアイドルの裏垢が流出し、多くの騒動が起きている」と指摘する。

 グループの組織改革とメンバーの意識改革をしなければ、今後もSNSでの不適切投稿は続いてしまうだろう。