映画「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」(11日公開)を引っ提げ、来日中のハリウッド俳優トム・クルーズ(54)が8日、上機嫌で会見を行った。2003年の映画「ラストサムライ」について語るなど、親日家の顔も見せたが、同映画ではハリウッド進出を果たした日本の俳優真田広之(56)への“ジェラシー”があったという。関係者が明かす秘話とは。

 トムは8日、都内でエドワード・ズウィック監督(64)とともに来日会見を行った。

 22回目、1年3か月ぶりの来日となるトム。韓国のプレミアを終えると、プライベートジェット機を飛ばして日本にやってきた。到着したのはこの日の午前1時だったが、さすがトップスターは笑顔を絶やさない。

「夜中に着いたんだが、東京のネオンは本当にすばらしいね。取ってくれたホテルも見晴らしがよくて夜景を楽しんだよ。人も、食べ物も楽しみだし、僕にとって日本はスペシャルな国なんだ」

 今回の映画で、トムは正義のためならルールを問わない元陸軍のエリート指揮官を演じる。すでに全世界での興行収入は約208億円という大ヒット。さらにズウィック監督とは映画「ラストサムライ」以来13年ぶりのタッグを組んだことも注目を集めている。というのも、トムにとって「ラストサムライ」はかけがえのない映画だったからだ。

「あれはとてもすばらしい経験だった。世界中のファンが僕にサインを求めるが、今でも『ラストサムライ』の写真を持ってくるんだよ。これが映画のパワーさ。その国の文化を伝えてくれる。この仕事をやっていて本当に良かったし、誇りに思う」

 会場には「ラストサムライ」でトムと共演した俳優の池松壮亮(26)がスペシャルゲストとして登場した。これには、トムもズウィック監督も「おお! 久しぶりだな!」と大喜び。そして「あのシーンを覚えているか? 急きょ書き加えたところで…」と思い出話をしながら問いかけた。ところが、池松はちんぷんかんぷん。無理もない。当時、池松は13歳だったからだ。そのため「覚えていません!」と正直に告白し、会場は爆笑。トムとズウィック監督も大笑いだった。

 そんなトムの思い入れが強い「ラストサムライ」だが、その裏では日本の俳優との秘話があった。

「共演には渡辺謙さん、小雪さんもいましたが、真田広之さんがあまりにも熱演してしまったがために、主役のトムよりも目立っていたそうなんです。それがおもしろくなかったのでしょう、撮影後にトム側は『サナダのシーンを削ってほしい』と製作側にオーダーしたそうですよ」(映画関係者)

 真田の存在感が、ハリウッドスターに「食われた」と思わせたようだ。もっとも、主役のトムが映画の中心になるべきなのはある意味、当然なのだが…。

 この日の会見でトムは「全身全霊で映画に打ち込める情熱を持った俳優と共演したい」と語ったが、まさしく真田はそんな俳優としてインプットされているようだ。