東京五輪では主砲としての活躍が期待される広島・鈴木誠也外野手(26)が悶々とした日々を送っている。

 沖縄自主トレを打ち上げ、25日はマツダスタジアムでの合同練習に参加。野間や高橋大らとキャッチボールやマシン打撃を行い「寒かったので、あまりオーバーワークにならないように軽く遊びながらやりました」。佐々岡監督から指名された野手キャプテンについては「やることは変わらないと思う。今まで通りやりたい」と自然体を強調した。

 本来なら半年後に迫った東京五輪へ向けて意気込み十分の時期のはずだが、新型コロナ禍により海外で中止報道が出るなど開催は不透明。それだけに鈴木誠は「僕たちが決められることではない。スポーツ選手はもちろんやりたいですけど、それでまたコロナが増えて私生活に影響するくらいだったら…。世界の人たちが来ると余計に広まるかもしれない。余計に周りが苦しむだけなので」と胸中複雑なようだ。

 野球でいえばWBCやプレミアなど数年ごとに五輪並みの世界大会がある。しかし、野球以外では4年に一度の五輪がひのき舞台で集大成の場という競技は多い。女子バドミントンの奥原希望(25=太陽ホールディングス)など他種目の選手との交流もあり、彼らの五輪への熱意を知る鈴木誠にとって新型コロナ禍に揺れる現状は余計に悩ましいようだ。

「打てるように頑張ります。すごくいい投手なので」とこれまでゼロ本塁打の巨人・菅野が残留を決めたことで改めて攻略を誓うなど、ペナント奪還に燃える鈴木誠。ただ、東京五輪についてはヤキモキした日々が続くかもしれない。