【プロ野球大将 MVP:王貞治球団会長(ソフトバンク)】お待たせしました。東スポ野球担当記者が独断で選ぶ「プロ野球大将2020」の発表です。21回目を迎える同賞は本業での成績とは無関係に、本紙を通じていかに話題を振りまいたかが選考の決め手になります。注目のMVPに輝いたのは、最高齢受賞となるソフトバンクの王貞治球団会長(80)。4年連続日本一となった常勝ホークスの礎を築いた功績もさることながら、今年3月に本紙創刊60周年の特別インタビューで熱く語っていただいたことへの感謝も込めての選出です。

 野球に対する情熱は傘寿を迎えた今でも変わらない。世界中の誰よりもホームランが大好きで、勝負にときめき、勝利にこだわる。新型コロナ禍にあっても可能な限り現場へと足を運び、必要とあれば選手にゲキも飛ばす。自身が巨人での現役時代に成し遂げたV9以来となるソフトバンクの4年連続日本一は、1995年のダイエー監督就任から脈々と流れ続ける「王の精神」が根底にある。古巣を相手にした2年連続での4タテも集大成ではなく通過点でしかない。

 その熱い思いは東スポ創刊60周年の特別インタビューでも垣間見えた。「東スポは今のスポーツ紙の原型。今は他の新聞が“東スポ化”している。東スポは他がやらないような方法でニュースを大胆に取り上げたことでファン、読者にウケた」といった本紙スタッフが泣いて喜ぶような“お褒めの言葉”ばかりでなく、プロ野球界のさらなる発展を視野に入れた“16球団構想”にまで話が及んだ。

 人生をささげた野球に対する愛の深さには頭が下がるばかり。まだまだ「世界の王」から学ばなければならないことは多い。