阪神の二軍キャンプ地である高知・安芸市が喜びに沸いている。昨年のドラフト会議で、阪神は西純(創志学園)、井上(履正社)、及川(横浜)ら高校野球のスタープレーヤーを一気に5人も指名。ファンの間でも話題のドラフトとなった。矢野監督は「焦らせたくない」とこれらの高卒選手たちの二軍スタートを明言している。

 甲子園を沸かせたルーキーたちを一軍キャンプで見られないのは残念だが、その一方でこの判断に沸き上がるのが安芸市関係者だ。「西純選手ら高卒ルーキーの皆さんにはぜひ、春の安芸キャンプにも来てほしいと思っていた。高校野球ファンの来場も期待できますしね」と集客効果に期待を寄せている。

 昨年の秋季キャンプも大盛況だった。日曜日だった11月3日と10日にはキャンプ最多となる6000人のギャラリーが安芸市営球場に殺到。安芸市役所の担当者は「近年では記憶にないほどの大盛況。6000人という数字は正直想定外でした。春の一軍キャンプを行っていた時以来ではないでしょうか。週末には(キャンプ地、安芸市営球場の)駐車場もあっという間に満車になってしまいましたので、新たに近隣の公共施設の駐車場を100台確保しました。誘導員の数も1・5倍に増やした」と対応に大わらわになっていたと証言する。

 そんな大フィーバーの背景を「昨季いきなりブレークした近本、木浪の両ルーキーコンビが参加してくれたことが大きかった」と分析。人気選手の集客力はやはり大きいと実感したようだ。そのため西純ら金の卵の安芸スタートに大喜び。一軍春季キャンプが沖縄・宜野座に移ってから、ややにぎわいに欠けていた安芸市だが、今春はこれまでとは違った風景が見られるかもしれない。