AKB48込山榛香(22)にとって今年は飛躍の年になりそうだ。自身が出演する怪談エンターテインメント映画「未成仏百物語~AKB48異界への灯火寺~」が来月10日公開。また、初主演映画の公開も控える。チームKのキャプテンとして4年目を迎える中、コロナが“会いに行けるアイドル”に立ちはだかる。込山は「私たちの良さって何だろう」と改めて考え、新たなグループ像を模索していた。

――映画のドラマパートで、引っ越しをした新居で心霊現象に巻き込まれる役を演じた

 込山 表情で恐怖や不安を表現しないといけなかったので、難しかったです。撮影に向かう新幹線で(ドラマの)「ほんとにあった怖い話」の女優さんが演じている表情を見て勉強してました。

 ――AKB48出演のドラマや舞台で、ヤンキーやプロレスラー、任侠の世界を演じてきた

 込山 いつも演じるのは楽しいなと思っていたんですけど、普通にいる女の子を初めて演じさせていただいて貴重な体験でした。アイドルとして常にかわいいと思ってもらえることを一番に考えていたんですけど、今回は恐怖を感じてもらえるようにメークをほとんどしなかったんです。

 ――提案して?

 込山 はい。恐怖を感じている子は血色が良くないと思って「唇の色をなくしていいですか?」と聞いたり。メークさんには「そこまで顔色悪くすると、お化け役と変わらないよ」と止められたりもしました(苦笑い)。ママとお姉ちゃんからは「その顔を大きなスクリーンにさらして大丈夫?」と心配されたぐらい。でも作品に力を入れられたと思えました。

 ――チームKのキャプテンになって4年目

 込山 最初のころは毎日泣いてましたね。AKB48は韓国などアジアの方もわざわざ握手会に来てくださるんですけど、日本語でいつも「泣かないで」と言われてました(苦笑い)。完璧なキャプテン像を求めてしまって、MCで一言間違えただけで、自分へのふがいなさから泣いてしまってました。

 ――今は

 込山 チームKのメンバーは私が泣くと、「また泣いてるの!」と笑いながらフォローしてくれて。自分でも「ダメなキャプテンもいいかな」と思えるようになりました。私ができないところをメンバーが補ってくれる。まとめたり注意するのは、武藤十夢さんが一緒にやってくれますし、円陣の時間を後輩が教えてくれたり。みんな自立をしているので、キャプテンの私が頼っているのかもしれません(苦笑)。

 ――コロナ禍で通常の活動ができない時期が続いている

 込山 AKB48は“会いに行けるアイドル”として劇場公演や握手会があって。会いたいと思えば会えることが今までにないことで「私たちの良さって何なんだろう」と考えました。“会いに行ける”がなくなったとき、SNSを含めて今のネット社会に合わせていけばいいんじゃないかって。SHOWROOMなど配信アプリがあるので、1か月に100時間とか配信をしたり。メンバーとコラボしたり、インスタライブでもコラボ配信したりしました。

 ――主演映画も控える。今後の目標は

 込山 今回の映画で将来の夢を聞かれたときに「女優さん」と言いたいなと思えるようになりました。主演映画は秋葉原の映画祭で上映する予定でしたけどコロナで延期になってしまって。でも、アイドルと女優業を頑張りたい。演技経験を聞かれた時に「AKBでちょっとだけ」としか言えなかったんですけど、「女優のお仕事をしているんです」と自信を持って言えるぐらいになれたらと思います。

☆こみやま・はるか 1998年生まれ。千葉県出身。2013年にAKB48第15期生オーディションに合格。18年4月からチームKキャプテンを務める。ドラマや舞台、モデルなどで活躍。今年は初主演映画「恋愛リアリティーショー」の公開も控える。