4月、大阪・梅田クラブクアトロで行われた「おとぼけビ~バ~」のライブで、客席に投げられたギターが観客を直撃し、前頭部を7針縫う裂傷や頚椎ねんざなどを負ったと報じられた。おとぼけビ~バ~は先日、「梅田クラブクアトロ公演にて発生した事故に関するお詫びとご報告」のタイトルで謝罪文をインスタグラムに投稿した。

 騒動が波紋を広げる中、〝過激ライブのレジェンド〟が口を開いた。ビジュアル系ロックバンド「THE DEAD P☆P STARS」(DPS)のリーダーでドラマー、「アンチフェミニズム」のボーカルを務めるKENZIだ。

「ステージから客席にモノをほる!って、僕が一番いろんなモノをほってきたと思う」

 KENZI自身がギターを投げていたわけではないが、DPS初代ギタリスト・HIROMIはライブでギターを客席へ投げていたという。

「ちょっとでもファンの近くに行きたい、ギターを触らせてあげようという気持ちがある。ほり方にも愛情があった」

 ではKENZIは何を投げたのか。目黒鹿鳴館では野菜を金属バットでノックし、2階席のスタッフの額にキャベツが命中。ホリデー新宿では軟球をノックし、さらに「犬のご飯を7キロ撒いたこともある」。「かまいたち」時代の東京ツアーでは新聞や生八ツ橋、「シスターズノーフューチャー」では客と豆腐を投げ合い、最後はなんと〝豚の頭〟まで飛んだ。

「目から豆腐が出てくる経験はよかった(笑)」

 小麦粉を撒いて観客から結膜炎になったと苦情を受けたり、北九州では爆竹で観客の浴衣を焦がし弁償したことも。それでも現在まで「生肉食べたりほったりしてチェーンソー持って客席へ。刺激が大切」とKENZI節は健在だ。

 まさに「そっちがギターなら、こっちはチェンソーや!」と言わんばかりだが、今回の騒動については慎重だ。

「ケガした人がどう思っているのか、そこが大事。ライブも見てない周りがぶつぶつ言ってもね」

 自身も、かまいたち時代に投げたドラムスティックが観客に刺さった経験があるという。

 だからこそ強調するのが〝信頼〟だ。

「結局、そこにはお客様、ファンとの信頼関係が成り立っていなければならない。会場の関係者、スタッフに前もって言っておくことも大切。信用問題ですから。ライブハウスは信頼関係というルールがある中でも自由の空間でした。それが今はない」と時代の変化も口にした。

 野菜、犬のご飯7キロ、豆腐、ハンバーガー、爆竹、豚の頭、そしてチェーンソー――。字面だけなら完全に無法地帯だ。しかし、KENZIが最後に口にしたのは、意外なほどシンプルな言葉だった。

「最後に全て『愛』です」

 なお、過去には音楽雑誌で「客席に投げたものベスト10」を紹介したこともあるという。KENZIは「その記事を探してSNSにあげるよ」と語った。