元日本テレビアナウンサーの多昌博志(たしょう・ひろし)さんが7日、多発肝腫瘍のため神奈川県内の病院で死去した。63歳。葬儀は近親者のみで執り行われる。

 はつらつとした声と的確な描写でスポーツ中継を支え、1993年の巨人・松井秀喜のプロ初本塁打では「ライトへ、ライトへ!」と伝えたことで広く知られた。

 中央大学卒業後の1985年に日本テレビへ入社。プロ野球やサッカー、箱根駅伝など数々の名場面を伝え、長嶋茂雄監督の勇退試合でもマイクを握った。2003年以降は営業部門などを経て後進育成にも尽力し、近年は日テレ学院の学院長として若手アナウンサーの指導にあたっていた。

 関係者によると、3月下旬から体調を崩し入院。回復を目指していたが帰らぬ人となった。

 多昌さんと親交があったTBS出身で現WOWOWの柄沢晃弘アナウンサーは取材に「勉強熱心で、早くから資料整理にパソコンを取り入れていた。日本シリーズ前にはパ・リーグの知識を教えてほしいと謙虚に学ぶ姿勢が印象的だった」と振り返り、「安らかに」と故人を悼んだ。

 多昌さんの高校後輩も「若い頃から健康管理や筋力トレーニングにも熱心だっただけに衝撃が大きい。つい先日も家族の節目を祝うやり取りをしていたばかりで、あまりにも急で悲しい」と無念さを語った。

 突然の訃報に、関係者やファンの間には深い悲しみが広がっている――。