ヒロインの恋愛遍歴が好悪の感情を呼んだ杉咲花主演の日本テレビ系ドラマ「冬のなんかさ、春のなんかね」は25日の最終回で、カップルの別離劇が重厚さをもって繰り広げられた。

 作家で古着屋アルバイトの文菜(杉咲)が、コインランドリーで偶然話しかけてきた美容師・ゆきお(成田凌)と恋愛関係に。一方で文菜は折に触れ、過去に付き合った男性たちとの日々を回想する。ゆきおは2番手キャストなのに登場場面は少なかったが、自分の美容室で働く紗枝(久保史緒里)と恋仲になったことが18日の9話で判明し、注目度上昇。文菜との関係が焦点になっていた。

 交際継続を望む文菜に対し、ゆきおは別れを告げる。この日、思い出のランドリーで待ち合わせたのは「最後」を意識したから。文菜と会ったのは別れのセレモニーで、ランドリーから喫茶店へと段階を踏んだ。ところが、しぶしぶ受け入れた文菜が「最後に髪を少し切ってほしい」とせがんで、別れの儀式は〝3次会〟へ。ここが修羅場と化した。

 文菜は、すぐ人を好きになり、浮気もしてしまうわが身を嘆き、泣きながら「誰とも付き合わない方がいいのかも」と訴える。取り乱す相手に、ゆきおは笑いを漏らしてしまい、「知らねぇ~マジでどうでもいい」と続けた。「すぐできるよ、好きな人。明日には他の男と寝てるよ」。突き放すというよりは「苦しまないでほしい」というメッセージをブラックジョーク風に発した。

 ゆきおはこの直前、温泉旅行(8話)の思い出に触れる。口を機能別に分散し、話すための口を耳の付近に置いたらどうなるかを、2人で演じて笑いあった。それを美容室で再現。掛け合いコントのようなやり取りで、最後は向き合う。「ちゃんと向き合ったら、本当はどんなことも、このくらい単純なことだったのかもしれない」と2人がすれ違った核心に触れる言葉を発したゆきおに、文菜も「そうかもね」とうなずいた。

 漫才のようなやり取りが想起させるのは、杉咲と成田が夫婦を演じた2020年度後期のNHK連続テレビ小説「おちょやん」。成田演じる喜劇団の座長が浮気の末、妻の女優(杉咲)と離婚に追い込まれる。関西が舞台だったが、今回の「冬のなんかさ」でも、前出の温泉旅行で文菜が「アホすぎるな、ゆきお」と話すシーンがあった。いわば〝おちょやん芸〟が民放でよみがえった。

 X(旧ツイッター)には、「あ、おちょやんか!」「おちょやんでは花ちゃんが振り今回は成田凌さんが別れを切り出したか」「おちょやん2って言ってもいいね」などと両俳優の再びの別れに言及する投稿が寄せられた。