5日のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」第28回は、北川景子演じる名家出身「タエ」の変わり果てた姿のラストシーンが衝撃を呼んだ。

 貧乏に負けず明るく過ごすヒロインのトキ(高石あかり)は街でとんでもない光景を目にした。松江で随一の名家に生まれ、貴婦人然と振る舞ってきたタエが、物乞いをしていたのだ。元上級武士で工場を営んでいた夫の雨清水傳(堤真一)が死去し、長男は出奔。一家崩壊で消息が途絶えていたところ、久々に見せた姿に「それまでの(28話の物語の)全てが吹っ飛んだ」とX(旧ツイッター)に投稿されるなど、視聴者に衝撃が走った。

 雨清水家はトキにとって親戚ということだったが、実はタエが生みの母であることが発覚。その実母に何があったのか、トキは息をのんだ。

 それでもタエは〝凛とした〟物乞いだった。小金を恵んだ男に礼を強要されても、「何故頭を下げねばなりませぬか」と拒む。背筋はピンとしたまま座っている。キレた男に頬を叩かれても、同じ姿勢を貫いた。

 かつては傳が工場を営み、トキら大勢の工員を雇っていた雨清水家。タエは無収入なのか。トキも父・司之介(岡部たかし)がウサギ商売失敗で巨額の借金を負い、返済のためしじみ売りや内職で稼いでいる。

 タエと〝再会〟前、トキは親友のサワ(円井わん)とカネの話になり、母と1か月かけて仕上げた内職品が「50銭いくかいかないか」だと明かし、「くう~」と自虐的に笑った。後に結ばれる英語教師のヘブン(トミー・パストウ)の女中仕事を打診されるも断っていたが、その給金が月20円と言われた。「私、やっとこ教師になって月4円だよ」と驚くサワ。

 トキに女中話を持ちかけた松江中学の錦織(吉沢亮)は、「花田旅館のおウメは月90銭だと言っていた」と伝え、「20円」の破格さをアピール。花田旅館はトキが商売で出入りし、来日したヘブンが宿泊していた宿だ。ヘブン先生は島根県知事肝いりで招へいされたとあって、月収100円の超リッチ。

 100円のヘブンから50銭のトキ、さらには物乞いのタエに至る経済格差が浮かび上がった28話だった。