大島渚監督の映画「愛の亡霊」などの出演で知られる女優の吉行和子さんが肺炎のため2日に死去したことが9日、所属事務所から発表された。90歳だった。兄は芥川賞などを受賞した作家の吉行淳之介氏(1994年に70歳で死去)。妹の理恵氏(2006年に66歳で死去)も同賞に輝いた作家・詩人。
事務所によると、故人の遺志により葬儀は近親者で執り行われた。「ここに謹んでお知らせ申し上げますとともに 吉行和子が生前受け賜わりましたご厚誼に深く御礼申し上げます」と公式サイトに記した。
吉行さんは今年3月に放送されたテレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「晴れたらいいね」に出演。主演・永野芽郁が扮する看護師が勤める病院に入院している寝たきりの患者(倍賞美津子)の友人役を演じた。同ドラマはアマゾンで配信もされている。
東京・女子学院高校を卒業した54年、劇団民芸付属の水品演劇研究所に入った吉行さん。55年に演劇「ものいわぬ女たち」で初舞台を踏む。デビュー作となった56年の「アンネの日記」で主役のアンネを演じて注目された。映画では59年に日活と契約し、今村昌平監督の「にあんちゃん」、中平康監督「才女気質」など巨匠の作品に出演して評価を高めた。
代表作の一つが、前出の大島監督作品「愛の亡霊」(78年)。性表現で物議を醸した「愛のコリーダ」に続くエロスがテーマの大島作品で、明治時代を舞台に若い愛人と共謀して夫を殺す妻を演じた。カンヌ国際映画祭で監督賞に輝き、吉行さんは日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に選ばれた。
テレビドラマでも「3年B組金八先生」「ふぞろいの林檎たち」などでベテラン女優の存在感を示していた。












