フジ・メディア・ホールディングス(HD)の旧経営陣が233億円もの損害賠償を支払うよう求められた株主代表訴訟の概要が分かった。原告のフジHD株主は233億円のさらなる上積みを示唆。それでも被告のフジHD旧経営陣は冷静に対応し、受けて立つ構えを示していた。

 フジHDは6月25日、都内で定時株主総会、取締役会をそれぞれ開き、清水賢治専務(フジテレビ社長)が新社長に就く人事を決定し、新体制で会社の再生を図る。フジ側のこれまでの改革の姿勢は経済界の一部から好感を呼び、ロッテは同30日、フジへのCM出稿を7月16日から再開すると発表。大手企業でCM出稿の再開意向が明るみに出るのは大和ハウス工業、サントリーホールディングスに続き、3社目となった。

 フジ側は難局とされた株主総会を乗り切り、今後は会社の再生とともにフジHD株主代表訴訟にも対処していく。

 これはフジHD株主が、元タレントの中居正広氏の一連の問題に対応した金光修社長、清水専務、日枝久取締役相談役(肩書はすべて当時)らフジHD旧経営陣15人を東京地裁に提訴した巨額訴訟だ。フジHD株主は、金光氏らが一連の問題で対応を怠り、世間の批判を浴びた影響で広告収入などが激減したと主張。フジHD株主は金光、清水、日枝各氏ら計15人がフジHDに233億円の損害賠償を支払うべきだと求めている。

 しかも複数の関係者への取材で、フジHD株主は233億円の損害賠償額をさらに増額させることを検討していることが分かった。

 フジ局員の話。

「原告のフジHD株主の方は損害賠償額を233億円とした根拠について、フジHDが今年1月、フジテレビの今年3月期広告収入が当初より233億円下回る見通しと発表したことを挙げています。この額を丸々、損害賠償額に当てはめ、さらに上積みすると被告のフジHD旧経営陣側に提示しています」

 ただ、233億円の損害賠償は巨額で、これが地裁に認められるかどうかは微妙とみる法曹関係者は少なくない。

「フジHD旧経営陣は巨額訴訟にも冷静です。株主代表訴訟での損害賠償請求では、原告側にその主張、立証責任があるとし、フジHDの株主の方の訴えではフジHD旧経営陣の具体的な〝過失〟や損害発生額などが不明と反論しています。つまり、もっと詳細な主張を求めている格好です」(前出局員)

 フジHD株主代表訴訟はまだ原告、被告双方の主張がぶつかり合っていない。フジHD株主が訴えを取り下げない限り、訴訟は年末まで予定されている。