メディアとしてのあり方が問われているフジテレビの〝エンタメ路線〟が今春改めて浮き彫りになったという。

 同社といえば、日枝久氏が1980年に編成局長に抜てきされた際「楽しくなければテレビじゃない」のキャッチコピーを打ち出し、黄金時代を築いたのはよく知られている。「オレたちひょうきん族」「笑っていいとも!」など人気番組を次々と誕生させ、82年から93年まで12年連続で平均視聴率三冠王を達成。日枝体制は40年以上におよび、エンタメ路線はフジ前社長の港浩一氏にも引き継がれた。

 ところが、昨年12月に元タレントの中居正広氏の女性トラブルに端を発した一連の問題が明るみに出て、そんな日枝体制が崩壊したのは周知の通りだ。

 ただ、今春に入社した新入社員の顔ぶれに、同局の報道局員は肩を落としている。

「入社時点で一人も報道志望がいないと聞いています。ほとんどはドラマやバラエティー志望。もともとCXの採用で報道志望は珍しいんですが、今年の新入社員もその例に漏れず…。彼らの中で報道は配属ガチャの外れ枠なんです」

 キー局の新卒採用は早く、大学3年の冬までには各社が内々定を出し優秀な人材を確保する。そのため、今年と来年の新入社員は港浩一前社長時代での採用ということになる。当然、エンタメ志望の学生が多くなるというわけだ。

「従来の上層部がどれだけエンタメに寄っていたのか、一目瞭然ですよね。フジは改革の真っ最中ですが、この偏った採用がどれだけ変化するか、今後見ものですよ」(同)

 学生の志望先がエンタメに偏らなくなった時こそ、改革が進んでいる証しかもしれない。