【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。アメリカの映画の祭典・第97回アカデミー賞授賞式が3日に開催されました。ハリウッドの現在地が分かる同賞、今年はメジャー映画ではなくインディペンデントな映画がきちんと評価されたなという印象でした。「ブルータリスト」「エミリア・ペレス」「教皇選挙」など、受賞作はどれも名作ぞろいですので気になった作品はぜひ劇場で見てほしいです。
さて、今週は最多5部門を受賞したショーン・ベイカー監督の「ANORA アノーラ」を紹介し、今年のアカデミー賞をひもといていきたいと思います。
アノーラは、身分違いの恋を描く古典的なシンデレラストーリーを現代風に落とし込んだ一作。ニューヨークでストリップダンサーとして働くアノーラがロシア人の御曹司と結婚。それに御曹司の両親が猛反発し――というストーリーです。
このアノーラの受賞に僕は多様性の影響を感じました。10年くらい前まで、アカデミー賞は作品を選考する会員の約7割を60代以上の白人男性が占めていて「白すぎるオスカー像」と揶揄されました。そこから女性・他人種・若年層にも幅広く門戸を開こうと毎年改革を続けてきました。その成果が強く表れた末の最多受賞だと思いました。
ストリップダンサーが主人公のアグレッシブな題材だし、各場面もアメリカの現状を描いたようなセンセーショナルなもの。しかも主人公はロシア系の女性です。一昔前の高齢白人男性が主体の同賞ではまず選ばれなかっただろうなと思います。
さらに、全体にもその変化が表れています。近年、人種差別やLGBTQがテーマの作品が多く扱われてきましたが、今回は目立ちませんでした。これは、映画を撮って問題について世の中に訴えかけていこう!という時期はもう終わって、それらはもう当たり前だよねという時代が来たことを意味していると感じました。人種も性的思考も多様なのが普通で、普遍だよねという2025年の現在地を表した祭典だったと思います。
今年の結果に僕は未来を感じたというか、アカデミー賞もどんどん新しくなっている。この先の明るい希望がはっきり見えた映画祭だったなと感じてすごくうれしい気持ちになりました。25年の映画界も要注目です!












