モンスターはフェザー級でも無双できるか。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)は年内にも一つ上の階級となるフェザー級のWBA世界王者ニック・ボール(英国)と対戦する方針だ。これまで転級に慎重な姿勢を示してきた井上の新たな挑戦を、5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)が〝警告〟した。
井上は5月にも米ラスベガス(T―モバイルアリーナ)でWBCスーパーバンタム級1位アラン・ピカソ(メキシコ)と対戦する見通し。9月には日本で防衛戦を実施し、年末にはサウジアラビアで試合を行うプランという。相手はWBA同級暫定王者で、井上に対して挑発を繰り返しているムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、そしてフェザー級王者ボールとの激突が有力だ。
大橋秀行会長によると、井上がスーパーバンタム級の王座を保持しながら転級し、ボールとの世界戦に挑むのはスポンサーでもある「リヤドシーズン」を主導するサウジアラビア娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官の強い意向からだという。井上はこれまで階級をアップしても特に苦戦することもなく難敵を倒し、4階級制覇を果たしているが、フェザー級でも相手を圧倒できるだろうか。
かつて井上とバンタム級で2度対戦(ともに井上の勝利)し、フェザー級でも世界王者になった「フィリピンの閃光」ことドネアはWBCの公式サイトでこう主張した。「井上は素晴らしいファイターだ」としつつ、転級については「階級を上げると(相手の体格に)パワーが失われて消えてしまうので、井上はスピードとテクニックに頼ることになるかもしれない。ただ彼は(フェザー級でも)パワーを武器にするかもね」と予測する。
その上で5階級制覇王者は「僕たち(ドネアや井上)は大きな選手たちに比べると、小柄だから階級を上げてパワーを維持できる」と指摘。「ボディーショットなら誰でも弱点を突くことができる。井上ならできると思うが、118ポンド(バンタム級)や122ポンド(スーパーバンタム級)の井上と同じではないだろう」との見解を示した。
井上はこれまで何度もボディーブローでダウンを奪ってきたが、ドネアによるとフェザー級は〝これまでと違う〟というわけだ。さらに元王者は「僕たちの体は、ある程度の衝撃に制限がある」と指摘。防御の面で、スーパーバンタム級とは体が受け止められるパンチの衝撃に大きな違いがあるという。
井上は1月24日の金芸俊(キム・イェジュン=韓国)戦後、転級について「今、フェザーでも戦っていける体が出来上がってきているのかなと。可能ではある」と前向きな姿勢。年内に戦う可能性がある3選手について「本当に強い選手で、本当に気が抜けない戦いになる」と語っていた。年内にも5階級制覇に挑むことになるが、ドネアの〝警告〟をどう受け止めるだろうか。












