大詰めを迎えたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」は28日、コンビを組んでヒットを連発させてきたヒロインの歌手スズ子(趣里)と作曲家の羽鳥(草彅剛)が約10分半にわたって互いの思いをぶつけ合うシーンに終始する異例の展開となった。
突然引退宣言したスズ子に羽鳥は「絶縁」を言い渡し、溝が生じていた師弟。この日は羽鳥がスズ子宅を訪れ、2人は向かい合う。映像は両者の表情の切り返しに真横からの引きをまじえ、この流れを6回繰り返してドラマが組み立てられた。
テーブルをはさんで向き合った2人を斜め上から俯瞰した映像は、切り替わってそれぞれの神妙な表情に。すぐに真横からの引きカットになり、向かって左のスズ子、右の羽鳥をとらえた。ここまでの10秒あまりが第1ラウンド。ともに気まずいのか、態度がぎこちない。
そこから羽鳥トークが始まり、スズ子を失う怖さや動揺を告白し、「嫌な思いをさせて申し訳なかった」と頭を下げる。再び真横カットとなり、スズ子タイムに。「先生とワテは人形遣いと人形みたいな関係」だと例えた。人形扱いなどしていないという羽鳥。そこで真横カットが入り、「いつまでも先生の最高の人形でおりたかったけど、もう無理」とスズ子が明かす。「僕にとって最高の歌手」と羽鳥が返し、涙ぐんだスズ子は頭を下げて感謝した。
しみじみしたところで5ラウンド目に突入。スズ子の語りは続き「福来スズ子がこれだけの歌手になれたんは、紛れもなく羽鳥善一という大天才のおかげ」と再び頭を下げる。ここでまた2人は真横から映され、羽鳥が提案した引退コンサートをスズ子が受け入れ、互いに手を取り合った…。
スズ子は戦前から戦後に人気を呼んだ「ブギの女王」笠置シヅ子、羽鳥は国民栄誉賞に輝いた服部良一がモデル。この日の劇中、似たようなカット割りを繰り返す中で対話はより深まり、2人の顔アップは大きめになっていく。真横映像では、奥に位置するタンスとその上にある置物が2人を見守るような存在感を放ち、ラウンドが進むにつれて重厚さを増す効果も生じた。
ほぼ1シーンとも言えたこの回。X(旧ツイッター)では「運命のふたりだったんだなぁ」「これぞ運命の2人という感じ」「歌への想い・スズ子と羽鳥先生の関係性に涙」と感動を示す投稿がみられた。ドラマは29日に最終回を迎える。












