◇村上宗太郎(21)東京支部128期
最近のルーキー世代には二世レーサーとして活躍する選手は多い。また、オートレーサーや競輪選手を父に持つ選手もいるが、ばんえい競馬のジョッキーというのは極めて異色だ。ボートレース場のない北海道・帯広市出身の村上にとって戦うフィールドこそ違えど勝負の世界に身を投じることは自然な流れだった。
「小さい頃からかっこいいなと思っていたけど、馬が怖かったので騎手の道は目指せなかったですね。ボートの試験は一発で合格しました」
128期生としてデビューして3年目で期ごとに勝率を上げている。近況勝率は2・79→3・89→4・03ときて2024年後期適用勝率は5・44(12日現在)。初のA2級昇格へ向けた勝負駆けも視野に入れている。
「意識をするようになったのはホント最近ですね。自分ではなぜ勝率が上がったか、特にこれといって思いつかないんですよね…。自分が何か光っているところはないですから。最近は悪いエンジンを引いてないのが一番大きいのかも…」
印象を一言で表せば寡黙。「人前に出るのは苦手」と自分から積極的にアピールすることはない。それがこの控え目な自己評価につながっているのだろう。飛躍の一端は2024年後期適用の戦績でコンマ14と一気に上昇した平均STだ。レースを見てくれている父から「若いんだからとにかく恐れずに行け!」とハッパをかけられており、その言葉を胸に刻み実戦している。
昨年からようやく準優勝戦にも駒を進めるようになったが、ほとんどが外枠で〝勝負圏内〟ではなかった。それが2月の尼崎では3号艇で準優に駒を進め、初優出も狙えるようになったのも地力強化の証だ。今後は優出インタビューなどでステージに出る機会も増えてくるだろう。
「まだ課題は多いけど、舟券を買ってくれるお客さんのためにも人気になっている時、期待に応えられる選手になりたい」
遠慮がちな小さな声とは裏腹に攻めるレーススタイルは将来性を感じさせている。
☆むらかみ・そうたろう 2002年10月4日生まれ。東京支部の128期生。北海道帯広市出身。2021年5月の多摩川でデビュー。同年11月の江戸川で初勝利。父はばんえい競馬の騎手・村上章。師匠は福来剛。128期同期には飛田江己、鰐部太空海、米丸乃絵、北村寧々ら。












