漫画「セクシー田中さん」を描いた漫画家の芦原妃名子さん(享年50)の急死をめぐり、同作を連載していた小学館が社外向けにコメントしないことが7日、明らかになり、波紋を呼んでいる。同社の現場レベルもこれに納得しておらず、社内の温度差が浮き彫りに。小学館社員は会社が〝ゼロ回答〟を決断した背景を語った。
漫画誌「姉系プチコミック」で「セクシー田中さん」を連載していた小学館は6日、社員向けの説明会で現状を説明した。その中で現時点では、会社として社外向けにコメントしないと通知。理由は「芦原先生が、悩まれて発信したXを、〈攻撃するつもりはなかった〉という一文とともに削除されたことを鑑み、故人の遺志にそぐわないと思うからです」としている。
これが翌7日、世間に明るみに出て、波紋を呼んでいる。小学館の広報担当者は取材に対し、芦原さんの訃報があった1月29日の翌30日に同社公式サイトで発表した追悼声明以外は「回答できません」とした。回答できない理由も「回答できません」とした。
SNS上では〝原作者が大事にされていない〟といった声が増えるばかり。「はじめの一歩」の漫画家の森川ジョージ氏はこの日、X(旧ツイッター)で「せめて出版社は毅然とした表明してくださいよ。代理人であり窓口だよ」などと求め、賛同を得ている。
同社の現場レベルも会社の方針に納得していない。ある小学館社員は苦虫をかみ潰したような顔で、会社が〝ゼロ回答〟を決断した背景を語った。
「社内の現場レベルでは作家さん(漫画家)との関係を大事にしているけど、上層部はそうではないという認識があります。それはなぜか。漫画編集をそこまで理解していない部署の責任者が出世しているからと言われています。上層部にはワイドショー番組に出演して活躍した役員もいますから」
小学館は設立102年で日本を代表する大手出版社。その娯楽誌出版部門が分離する形で集英社が設立された。両社は都内の所在地名から「一ツ橋グループ」とされるが、毛色は微妙に異なる。
「我々(小学館)は書籍や漫画誌、週刊誌、学習誌、ファッション誌を扱う総合出版社。集英社は『週刊少年ジャンプ』に代表されるように漫画大好きな社員が多い。我々は時に〝作家さんへの配慮が足りない〟と言われる。社外向けのコメントなしもその表れだと感じました」(同)
小学館社内では、会社が現場レベルの声に押される形で改めて対応するとみているという。












