〝横綱相撲〟を見せられるか――。大相撲初場所12日目(25日、東京・両国国技館)、綱取りに挑む大関霧島(27=陸奥)が幕内玉鷲(39=片男波)をはたき込んで10勝目(2敗)。首位と1差を守り、2場所連続優勝へ望みをつないだ。一方で、場所の終盤に入ってからも昇進ムードの盛り上がりはいまひとつ。横綱経験者が、霧島の課題をズバリ指摘した。

 霧島が逆転優勝へ望みをつないだ。立ち合いから玉鷲に攻め込まれる展開。最後は下がりながらはたき込んで白星をつかんだ。取組後は「狙った立ち合いができなかった。もっと自分から攻めていきたかった」と浮かない表情。先場所からの連覇に向けて「まだ残りがある。一日一番という意識でやっている」と目の前の相撲に集中する姿勢を強調した。

 今場所後の横綱昇進を果たすためには「2場所連続優勝」が条件となる中、単独首位に立つ関脇琴ノ若(佐渡ヶ嶽)と星の差は1つ。残り3日間で直接対決も控えており、まだ逆転のチャンスは残されている。ただ、終盤12日目を終えても、綱取りのムードが高まっているとは言い難い。その要因として、いくつかの〝減点材料〟が挙げられる。

 まず、中盤までに平幕力士に2敗していること。さらに、この日のように相手に押し込まれてから逆転で白星を拾う相撲も目立っている。格下の相手に圧倒的な強さを見せていないことが「横綱候補」としての印象を薄めている点は否めない。綱取りには星数だけでなく相撲内容も問われる中、角界内で霧島の戦いぶりはどう評価されているのか。元横綱大乃国の芝田山親方(61)は、次のように指摘した。

「成績だけを見れば横綱に上がるかもしれないけど、相撲内容は『横綱相撲』とは受け取りづらいところはある。飛び回って、はたいたり、引いたりして逃げ切ったという相撲が多い。攻防の中で勝っているだけで『ああ、強いな』とは…。琴ノ若と霧島を比べたら、琴ノ若のほうがどっしりとして相撲内容がいい。だから霧島は、あと3日間でどんな相撲を取るかが大事になってくる」

 ここから霧島は、大関豊昇龍(立浪)、琴ノ若、横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)との対戦が見込まれる。難敵を相手に、誰もが認める強さを見せることができるのか。最後まで気の抜けない戦いが続くことになりそうだ。