「第66回ブルーリボン賞」の各賞が決まり、選考する東京映画記者会(東京スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)が24日、発表した。監督賞は石井裕也監督(40)で、「月」「愛にイナズマ」が評価された。
自身にとって第53回(2010年度)以来、2度目の監督賞に「特別な2作がちゃんと評価されたというか。見てもらえただけでうれしい。13年前とは違う種類の喜びって感じです」と語った。
「特別」と語るには理由がある。「月」は、16年7月に実際に起きた相模原障害者殺傷事件を題材にした同名小説を映画化した作品。この衝撃作について「例えば民放テレビとかは公開前には取り上げてもらえなかったんです。『なんか危ないから』って。そういう今の日本を包んでいる空気に飲み込まれかねない作品だった」とし、「今こうやってメディアの方々に囲まれているのは不思議だし、ありがたい」としみじみと語った。
「月」から2週間後に公開されたのが「愛にイナズマ」だった。公開時期は「たまたまかぶった」そうで、「僕からしたら、はた迷惑。取材が続くし」と笑っておどける。
「作品が相対的に評価されるというか。『月』は良かったけど『イナズマ』はダメだとか、その逆もあるし。一つひとつの作品が自分の〝子ども〟だとしたら、そういう評価は本当は受けさせたくない」と思い入れを吐露した。
「月」での好演が称賛された磯村勇斗(31)と「愛にイナズマ」の佐藤浩市(63)について「『イナズマ』は浩市さんが(助演俳優として)評価されるべき作品だと思っていたんです。でも、僕のせいでもありますけど磯村くんが強すぎたわけですから」と苦笑い。「ただこれで、浩市さんが正当評価されてうれしい」と語った。
自身も今後の作品で「月」との比較に苦しむと予想する。
「(過去作でも)ずっと『最高でしたね』って言われてきたんですよ。でも、その年齢にはなれないし、戻れない。それは皆さんが抱えている悩みで、例に漏れず私も立ち向かっていくしかないですね」と観客の期待を超えていくことを誓った。
各賞は以下の通り
作品賞=「ゴジラ-1.0」
監督賞=石井裕也「月」「愛にイナズマ」
主演男優賞=神木隆之介「ゴジラ-1.0」「大名倒産」
主演女優賞=吉永小百合「こんにちは、母さん」
助演男優賞=佐藤浩市「愛にイナズマ」「せかいのおきく」など
助演女優賞=浜辺美波「ゴジラ-1.0」「シン・仮面ライダー」
新人賞=黒川想矢「怪物」
外国作品賞=「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」












