「第66回ブルーリボン賞」の各賞が決まり、選考する東京映画記者会(東京スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)が24日、発表した。新人賞は「怪物」で映画初出演を果たした黒川想矢(14)が受賞した。

 受賞に「心から尊敬できるスタッフ、キャスト、監督からたくさんのものをいただき、魂を込めて作品を作りました。皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」と声を弾ませた。

 同作では複数回のオーディションを勝ち抜き、是枝裕和監督の目に止まった。与えられた役は、シングルマザーの小学5年の息子。性の多様性も描いた作品で「脚本を読んで撮影をしました。最初はまったく分からなくて…。でも、なんだか分からないですけど、ワクワクして」。

 撮影は約3か月。「終わった時のことは何も覚えていなくて。嵐が過ぎ去ったような…」と振り返った。

 黒川はNHK・BSプレミアム「剣樹抄(けんじゅしょう)~光圀公と俺~」(2021年11~12月)で俳優の舘ひろし(73)と共演。「剣樹抄――」を機に学業に専念するため俳優業を「辞めるつもり」だったが、同作の撮影中、舘が優しく接してくれて気持ちが変わった。大ベテランを敬愛し、その所属事務所「舘プロ」入りを直談判。実際に所属した。

「怪物」の撮影中には舘から「おいしいものを食べて、おなかいっぱいにして、楽しんでやりなさい」と電話でアドバイスされた。黒川は「悩んでいた時期でもあったので、ありがたいというかうれしい気持ちでした」。

 今回の新人賞に舘から「一生に一度しか取れない賞だから、良かったね」と伝えられたという。当の舘は18年度の第61回ブルーリボン賞で主演男優賞に選ばれており、「違う賞だけど、舘さんをちゃんと追いかけられている気がして、すごくうれしい」と話した。

主演男優賞を受賞した舘ひろしと授賞式の司会を務めた新垣結衣
主演男優賞を受賞した舘ひろしと授賞式の司会を務めた新垣結衣

 今後の飛躍が期待される14歳。「俳優である前に、優しい人でありたいです。どんな俳優になるかは、まだ…」と初々しくほほ笑んだ。

各賞は以下の通り

作品賞=「ゴジラ-1.0」
監督賞=石井裕也「月」「愛にイナズマ」
主演男優賞=神木隆之介「ゴジラ-1.0」「大名倒産」
主演女優賞=吉永小百合「こんにちは、母さん」
助演男優賞=佐藤浩市「愛にイナズマ」「せかいのおきく」など
助演女優賞=浜辺美波「ゴジラ-1.0」「シン・仮面ライダー」
新人賞=黒川想矢「怪物」
外国作品賞=「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」