各方面からその内容をめぐって非難の嵐が渦巻いている芦田愛菜(9)主演の日本テレビ系連続ドラマ「明日、ママがいない」に重大異変だ。22日夜、注目の第2話が放送されたが、初回放送(15日)ではあった主要スポンサー企業の提供表示がカットされた。うち3社はCMを控えたことが判明。この日、日テレに放送中止を申し入れていた熊本市の慈恵病院が放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付。スポンサー離れとのダブルショックで、いよいよ放送中止が現実味を帯びてきた。
児童養護施設を舞台にした同ドラマをめぐっては、その過激な描写から「赤ちゃんポスト」を設置する慈恵病院や、全国約600の施設で作る全国児童養護施設協議会などが、放送中止や改善を求め抗議の声を上げている。日テレは放送継続を宣言しているが、すでに15日の初回放送後から施設出身の若者から“犠牲者”が出ていることは本紙既報通りだ。
22日、BPOの放送人権委員会に申立書を送付した慈恵病院の蓮田健産婦人科部長も会見で「第1回放送後に、施設の子供がいじめられたとの報告を伝え聞き、緊急性が高いと判断した。BPOは速やかに結論を出してほしい」とコメント。これに日テレ総合広報部は「コメントする段階ではない」としている。
同病院のある熊本市の幸山政史市長も記者会見で「過激な描写や演出、現実離れした表現が多く、児童養護施設への誤解を与えかねない内容だ。局は施設当事者の声を真摯に受け止めてほしい」と苦言を呈した。
そんななか迎えた22日夜の第2話放送。異変は開始早々に表れた。初回放送であったはずの主要スポンサー企業8社の提供クレジットが全く流れなかったのだ。エバラ食品とエネオス(JX日鉱日石エネルギー)、キユーピーの3社はCM放送も中止。“穴埋め”のため、同局の番組CMや非営利団体で知られるACジャパンのCMも計3回流れた。
<次のページへ:「内容を鑑みて提供を控えることにしました」>
エネオスの広報担当者は本紙の取材に「皆さまからの意見を聞き社内で協議した結果、クレジットとCMの提供は控えるのが相当と判断しました」、エバラ食品の広報担当者も「弊社は6年以上前から同時間帯のタイム枠を年間契約しております。そのため、事前にどのようなドラマになるのか把握しておりませんでしたが、内容を鑑みて今回は提供を控えることにしました」とスポンサー撤退を認めた。
実は本紙の事前取材では、主な番組スポンサー8社でもそれぞれ温度差があり「クレジット(提供表示)、CMともに問題なし」という社もあれば、「クレジットのみNG」という社もあった(別表参照)。
あるテレビ関係者は参考意見として「初回放送より提供クレジットが大幅に減るのは体裁が悪いし、ほかのスポンサーにも動揺を与える。可及的措置で局側が一括カットを判断した可能性もある」と話す。
肝心のドラマの中身は、騒動を受けて変わった形跡は見られなかった。第1話よりストーリー自体は好転しているように見受けられたが、三上博史演じる施設長が「お前はかわいいトイプードルだ。お手でもしてみろ」と子供をペット扱いするセリフや「(トラウマを)気にしていたら縁組など成立しない」など、施設関係者が聞いたら、再び問題にしかねない表現が数か所見られた。
これについては、同ドラマで「児童養護施設監修」を務めた岡本忠之氏も23日発売の「週刊文春」で「一話と二話の台本を読み、施設の実態とはあまりにもかけ離れていることは、日テレにも伝えました」と証言。それでも同局の方針は変わらなかったという。
別のテレビ関係者からは「スポンサーの撤退が相次げば、日テレ全体の死活問題になる。制作側が主張する『最後まで見てもらえれば…』では、手遅れになる可能性もある」との声も出始めている。
BPOへの審議要求に加えてスポンサーの撤退…。ドラマの存続がいよいよ危うくなってきた。日テレの決断の時は迫っている。












