注目カードが並んだ昨年大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」(さいたまスーパーアリーナ)を、〝バカサバイバー〟こと青木真也(40)が3回に分けて分析する。2回目は、総合格闘技(MMA)戦デビューで明暗が分かれた元K―1戦士の3人。安保瑠輝也と芦澤竜誠が苦戦を強いられた中、青木がセコンドを務めた皇治はなぜ三浦孝太に完勝を飾ることができたのか――。

【青木真也のRIZIN大みそか徹底解析(2)】まず青木は、久保優太に1ラウンド(R)4分29秒リアネイキッドチョークで敗れた安保について「やる前から言っていた通り、まさに〝笑止〟っていう内容だった」と声をしゃがれさせる。久保の片足タックルで背中をマットにつくとサイド、マウント、バックと有利なポジションを与えて、首を絞められるMMAのお手本のような決着だった。

 青木は「相手もMMAができるわけじゃない。ちょっと先に塾に行っていたヤツがテストでいい点を取るのと同じ。久保がちょっと先にやってたから、こうなったってだけだ。それ以上でもそれ以下でもないよ」とバッサリ。

 安保がMMAを続けると表明したことに「安保よ、勝ちたいのか? だったら奥田啓介っていう、いいコーチがいる。本当は俺が紹介したいけど、なぜか最近連絡が取れないから、ほかの人に聞いて連絡してみてほしい。でも、改めて今回は〝安保瑠輝也〟という人は最高だと思ったね。最後に落ちないで、ちゃんとタップするのが安保らしいというか」と笑顔をつくった。

 続いてレスリングのリオ五輪銀メダル・太田忍に1R2分21秒でKO負けを喫した芦澤だ。「ぶっ飛んだ恋の歌」を熱唱しつつ余裕しゃくしゃくで入場したが、開始早々タックルを受けて下になり、パウンドで敗れた。青木は「すごい『余裕っすよ』みたいな感じだったけど、まあ、やればあんなもんだよねっていう。お疲れさまでした!」と大げさに頭を下げた。

皇治(右から2人目)のセコンドに就いた青木真也(右端)
皇治(右から2人目)のセコンドに就いた青木真也(右端)

 そんな2人と逆に白星を手にしたのが皇治だ。1Rから距離を詰めつつ打撃をヒットさせると、2Rは組みついてきた孝太にヒジを叩き込み、崩れ落ちたところで上から鉄槌を落として、最後はサッカーボールキックでKOした。青木は練習からサポートしてセコンドにも就いたが、その勝因を「戦術がハマった」とメガネを光らせる。

 そして「向こうが最初からムエタイっぽいスタンスで来てくれたんだよ。それが助かった。その瞬間に『もっと詰めろ!』って言って、アニキ(皇治)もその通り動いたんだ。あのスタンスを取るってことは、蹴りたいんだなと思って。実際、頭突きにいくくらいの距離まで詰めるっていうのは、前から考えていたから。正直、特攻でタックルに来られるのが嫌だったから、あのスタンスで来てくれたのは助かった。ムエタイのスタンスをMMAで使うには、組みができないと厳しいんだよ」と、してやったりだ。

 MMA初挑戦となった皇治の「仕上げ方」を「最後は〝やらないこと〟を徹底的に決めて、最終的には『ぶん殴って、組んで来たら頭グリグリして切って、ぶん殴って、もう1回ぶん殴る』みたいなので疲れさせることしか考えていなかったから『それ以外をするな』と。練習でできることは増えていたけど、最後はそこからどんどん削って、やることだけを明確にさせたんだ」。

 そうした準備を踏まえ一気に攻めた2Rについて「インターバルで俺が強く言ったんだ。『行けよ、お前。すぐ行け!』って。言われてその通り動けるのは大したもんだと思う。ていうか、アニキの周りって、みんなアニキに強く言えないんだよ。人間、年を取ると周りに〝イエスマン〟が増えるじゃん。そんな中、嫌なことばっかり言う俺をセコンドにできるのが、アニキの強みなんだろう」と珍しく褒める。

 そして「それはそれとして、アニキがセコンドのお礼に車くれるって言うんだよ。楽しみだなあ。高級外車も、免許同じでいいんだよね?」と目を輝かせた。

 なお、試合後「ABEMA PPV」などでの配信で解説した川尻達也が、試合後に青木が泣いているとして「年を取ると涙もろくなるんですよね」「あまり涙は似合わないですけど」と話したことに「泣くわけないだろ! あんなのでどうやったら泣けるんだよ」と激高。

 その上で「事実誤認をする川尻は解説をクビだ。代わりに武田幸三を解説にしろ」と声を荒らげた。正月のバカサバイバーは、まだまだ自転車にまたがらない。続いて大ナタを振るうのは、平本蓮とYA―MANの一戦だ。