大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」(さいたまスーパーアリーナ)に出場予定だった木村〝フィリップ〟ミノル(30=ブラジル)のドーピング検査結果が、大きな波紋を呼んでいる。6月に続き陽性と判定され、安保瑠輝也(28)との試合は中止になった。この騒動に鋭いメスを入れるのが〝バカサバイバー〟こと青木真也(40)だ。しかも、大みそかの総合格闘技(MMA)デビューが決まった皇治(34)にも――。

 6月のドーピング検査が陽性で半年間のRIZIN出場停止処分を科された木村は今月11日、大みそかに安保を相手に復帰戦を行うことが発表された。ところが、再度行ったドーピング検査の結果が陽性だったことが24日に明かされ、安保戦の中止が決まった。

 この一連のドーピング騒動に青木は「ツッコミどころが多すぎるだろ。果たしてどこから手をつければいいやら」と肩を回しながらしゃがれ声を弾ませる。

「そもそも、クリーンになってから交渉を始めるべきだろ。それなのに結果が出る前にカードを発表するって、順番がおかしすぎる。それに会見で(榊原信行CEOが)『禁止項目が抜けきらなかった』って言ってたけど、それはさすがにいいヤツすぎるというかさ…。この結果を見て『普通にまだ使ってたんじゃないの?』って思うのが普通の感覚だろ」と斬り捨てた。

 それを踏まえて「でも、それ以上に俺はこれで〝ある問題〟が起きてくるんじゃないかと思ってるんだよ」とメガネを光らせる。「今回で多くの選手に『ステロイドを使ってもバレないじゃん』『やったもん勝ちじゃん』って思わせてしまったんだよね。結局、ちゃんと検査をしているのがUFCとPFLっていう米国の2団体だけなのがハッキリしたからさ。今回の木村ミノルさんの件は抑止力になるどころか、これをきっかけにドーピングに手を出す選手が増えかねないと思うよ。実際、そういう声というかウワサみたいなのは俺の耳にも入ってくるし」

 今後は水面下でドーピング違反者が増えかねないというわけだ。そのため「だからその抑止をどうしていくか。そこはしっかり取り組まないと、まずいことになると思う」と警鐘を鳴らす。

 一方、大みそか決戦では皇治が初のMMA戦に臨み、サッカー元日本代表FW三浦知良(オリベイレンセ)の次男・三浦孝太(21)と対戦することが決まった。

 MMA転向をサポートしている青木は「冷静に考えて勝てないと思う」とまさかの言葉でピシャリ。「それはそれとして、一番の問題は皇治のアニキの器のデカさにコーチ陣が魅了されて、みんなが『三浦孝太相手なら勝てる』とか言い始めちゃってることだ。お前ら目を覚ませ!」とわざとらしく語気を強めた。

 苦戦を予想する根拠が、MMA経験値の差だ。「立ち技と全然違う競技で、不確定要素が多すぎるんだよ。打撃もMMAの間合いになるし、組みや決めも未知数。相手がいくら道楽息子とはいっても、あまりにも経験の差がある」と指摘する。

 さらに「大体、俺がタオルを持つから勝てるわけないだろ。アニキが勝ちそうになったらタオル投げるもん」と〝教え子〟のセコンドに就くことを遠回しに明かしつつ、フィニッシュについては「足へのバッティング(頭突き)じゃないかな。MMAでは足にならアニキの得意技であるバッティングが認められているから。アニキの頭は鋼鉄並みに硬いぞ!」。満面の笑みを浮かべて孝太が得意とするサッカーボールキックでの決着を予想し、新宿方面に自転車で走り去った。